化石燃料の枯渇は、その速度を緩めることなく、今、この瞬間も、完全枯渇への時は着々と刻まれており、人類だけでなく全生物の存亡を掛け、今後の数十年で、新たなサイステイナブルエネルギー体系を獲得せねばならないことは、皆さんも異論ないところと思います。
その候補は様々で、核融合、未利用廃熱電力回生、既存エネルギー変換プロセスの超高効率化などが簡便に挙げられ、これらの具現のため、教育・研究を進めております。
未来サステイナブルエネルギー体系の創造は、現段階では完全無形の状況です。「問題提起・研究・考察・解決・新たな難解問題発現」の輪廻も考えますと、皆さんの若く柔軟な発想なくして具現は不可能です。是非、共に、未来永劫なるエネルギーソリューションを開拓しませんか?
快適な文明社会を子孫に伝えることができるかは、皆さんが社会で活躍する今後四半世紀の間でエネルギー・環境問題に対してどの様に向き合うかにかかっています。エネルギー理工学専攻の教員団は、この問題意識を共有した世界トップクラスの研究者から構成されており、エネルギーに関する物理、化学、電気、環境の幅広い理工学分野をカバーしています。私の研究室では、エネルギーの生産と消費にともなう環境問題の現状把握と将来予測を目指して、国内外での野外観測、室内実験、数値シミュレーションを総合的に組み合わせた研究を行っています。研究を通して専門を深く修めつつ関連する分野の広い知識を獲得することによって、将来の社会や企業が必要とする人材となることを一緒に目指しましょう。
私は高校時代から物理が好きで、新エネルギーに興味があって、電気電子の学科からエネルギー理工学専攻に進学しました。2011年に博士号を取得し、今は約1億℃のプラズマを磁場の籠で閉じ込める「磁場核融合」の研究をしています。核融合エネルギーは未来のエネルギー源の一つとされ、実用化までの道のりは遠いですが、エネルギーに絡む人類共通の諸問題を解決し得る強力な切り札であると考えています。私たちの人生は一度きりです。人生の一部を預けることになる大学院を、賭すに足ると思える研究対象を、皆さんが吟味して選び、そして見つけられることを祈っています。(田中宏彦)
本専攻は、これまでに550余名の修了生を社会へ送り出してきました。
電気・量子エネルギー・分子化学工学・核融合研の総合的専攻であることもあり、活躍の場は非常にバラエティーに富んでおります。
最近は、特に、エネルギーのサステイナビリティー高揚に向けた社会の高いニーズから、本専攻の修了学生に対する期待は高まる一方であり、求人数は修了生の約4~5倍程度で、更に増加傾向にあります。
アイシン、出光興産、イビデン、エーザイ、NEC、NTT、荏原製作所、花王、鐘紡、川崎重工、関西電力、気象庁、キャノン、九州電力、京セラ、神戸製鋼、コスモ石油、三洋電機、シャープ、昭和電工、信越化学、新日本製鐵、スズキ、住友化学、セイコーエプソン、ソニー、ダイキン、ダイセル化学、大日本インキ、中国電力、中部電力、千代田化工建設、デンソー、電力中央研究所、東京電力、東芝、東邦ガス、東レ、豊田合成、トヨタ自動車、日本IBM、日本ガイシ、日本航空、ノリタケ、浜松ホトニクス、パロマ、日立、ファナック、富士通、ブラザー、古川電工、北陸電力、北海道電力、本田技研、松下電器、三井化学、ミツカン、三菱自動車、三菱重工、ヤマハ、LIXIL、リンナイ