名古屋大学工学部 受験生応援スペシャルサイト

NEWS HEADLINE

オークマ工作機械工学館が完成

ものづくりで世界を先導する教育と研究開発

名古屋大学東山キャンパス内に「オークマ工作機械工学館」が完成し、2020年3月30日(月)に関係者によるテープカットを終え、4月から使用を開始しました。
本学とオークマ株式会社は10年以上前から連携を続けており、「オークマ工作機械工学寄附講座」を2015年に工学研究科に開設するなど、ものづくりの礎となる工作機械工学に関する教育・研究の振興を進めています。新たに完成した「オークマ工作機械工学館」は、世界的なものづくりの中枢エリアである名古屋において、オープンイノベーションを加速し、工作機械に関する基礎研究の強化、寄附講座の充実、グローバルに活躍できる人材の育成の促進をもって、同分野において世界に先駆けて永続的に革新的な成果を得ることを目的に、オークマ株式会社から名古屋大学基金への建設費の全額寄附(総額7億円)により、2018年度に着工したものです。教育研究に向けての工作機械の提供を含めた施設ごとの寄附という形態は全国でも稀有なもので、2017年4月の共同記者会見では、同社花木会長(当時:代表取締役社長)から「ものづくり人材を広く育成し、5~10年先を見越し、世界をリードする研究開発をして欲しい」とのご発言があり、それを受け、本学松尾総長が「教育研究における企業と大学がつながる成功例として、世界で負けない新たな成果を生み出したい」と謝辞を述べました。本学では、今回のご寄附による施設及び最新工作機械を活用し、寄附講座を基盤として、工作機械の最先端研究や教育を通し、世界をリードする人材を育成するとともに工作機械の最先端研究を世界に発信します。

「テクノ・シンポジウム名大 in 長野 工学のおもしろさを知ろう!」を開催

2019年12月7日、工学部・工学研究科主催(公益財団法人日比科学技術振興財団共催)にて、「テクノ・シンポジウム名大in 長野 工学のおもしろさを知ろう!」がJA 長野県ビルにて開催されました。これは、長野県下の高校生、保護者、高校教職員等を対象に、名古屋大学工学部・工学研究科の研究内容を含め、工学分野の幅広さとおもしろさを紹介するものでした。当日は、瓜谷副研究科長の司会・進行により、主催者挨拶の後、第1部で2014年ノーベル物理学授賞者である天野浩教授による基調講演「青色LED とトランスフォーマティブエレクトロニクスが築く持続可能スマート社会に」で始まり、第2部では水谷工学部長・工学研究科長から「理学と工学の違い、名古屋大学工学部・工学研究科の研究」についてビデオ等を用いて紹介し、第3部では、「医学に貢献する工学」として、工学研究科清水一憲准教授(生命分子工学専攻)、新津葵一准教授(電子工学専攻)、吉橋幸子准教授(総合エネルギー工学専攻)から医療関係の研究紹介がありました。本シンポジウムは、毎年、開催場所を変えて実施しておりますが、今回は天野教授の最新の研究内容だけでなく、幅広い工学分野の紹介と、その中から医療に関係する工学研究科の研究について、実際に研究を行っている教員が直接説明したため、高校生や保護者にとって、大学での研究や修学内容を直に聞くことができる貴重な機会となり、また、大学教員にとっても、最近の高校生の興味や関心を知ることができ、大変有意義なイベントとなりました。大学や工学部紹介の新しい方式として、本シンポジウムは今後も継続していく予定です。

芳香族化合物の新しい形
~ 芳香属性の概念の拡張 ~

▶有機・高分子化学専攻 忍久保 洋 教授ほか

工学研究科の 野澤 遼 博士後期課程学生、忍久保 洋 教授らの研究グループは、2つの反芳香族化合物を重ねると芳香族化合物となることを見出し、芳香族性を示す反芳香族シクロファンの合成に初めて成功しました。
これは化学の基本原理である芳香族性という概念を拡張するもので。また、反芳香族化合物が芳香族化合物よりも互いに接近しやすいことも分かってきており、有機半導体への応用を進めていきます。
ベンゼンやナフタレン等の芳香族化合物は安定な分子であり、プラスチックや医薬品、液晶、有機ELなどの有用な物質として利用されています。
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充電不要 “着る電池”の開発へ一歩前進!

▶応用物理学専攻 竹延 大志 教授、伊東 裕 准教授、田中 久暁 助教ほか

名大・北大・産総研からなる研究グループは、高分子材料の熱電変換性能が半導体と金属の境界で最大化する現象を発見し、その仕組みを解明しました。
温度差を利用して発電する熱電変換素子は、排熱を有効利用できる期待の技術です。
薄くて軽くて柔らかい高分子の特徴を生かしつつ、体温を利用して発電する「着る電池」の開発に向け、期待の一歩です。
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再エネを利用したアンモニア合成に期待!
~ エネルギー問題、食糧問題の解決に寄与する触媒の開発に成功 ~

▶化学システム工学専攻 永岡 勝俊 教授、佐藤 勝俊 招へい教員ほか

アンモニアは世界中で化学肥料として用いられ、水素の運び手としても注目されています。現在、アンモニアは化石資源から450℃以上、200気圧以上の過酷な条件で大量のCO2を排出しながら合成されていますが、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの利用につながる400℃以下、100気圧以下の温和な条件で効率的にアンモニアを合成することができる触媒の開発に成功しました。
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電子顕微鏡を使って液晶に類似した磁気渦状態を観測

▶未来材料・システム研究所 未来エレクトロニクス集積研究センター
 工学研究科 電子工学専攻 長尾 全寛 准教授

磁気スキルミオンは超低密度電流で駆動するため、省エネルギーのスピンデバイスの実現が期待される新しい磁気構造において、これまでの固体中の原子配列と類似した配置ではなく、固体と液体の中間状態である液晶に類似した“磁気スキルミオン液晶”の観測に成功しました。今回観測した磁気スキルミオン液晶は、従来の磁気スキルミオンとは特性が異なるため、新しい動作原理を持つ省エネルギーの次世代スピンデバイスの開発に繋がることが期待されます。

航空機のあらゆるビジネスシーンで「プロとしての活躍を目指す」あなたへ

▶▲フライト総合工学教育研究センター 笠原 次郎 教授ほか

航空機ビジネスプロフェッショナル(BP)養成講座では、産業界の様々な分野から最前線で活躍する経験豊富な講師陣を招き、航空機の開発・設計・製造・販売・運航・整備等の幅広いビジネスを対象に実践的・創造的な知識・ノウハウを提供し、体系的かつ実践的・創造的なキャリアアップ教育を実施します。
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ナノテク新素材の至高の目標
~ グラフェンの従兄弟「プランベン」の発見に成功! ~

▶エネルギー理工学専攻 柚原 淳司 准教授 ほか

仏国エクス=マルセイユ大学のギー・ルレイ名誉教授らとの国際共同研究で、新しいナノエレクトロニクス材料として注目されている、鉛からなる蜂の巣状構造の単原子層物質「プランベン」の創製に世界で初めて成功しました。
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安全で安価な白色と黒色の化合物から、色鮮やかな顔料を調製

▶有機・高分子化学専攻 竹岡 敬和 准教授ほか

工学研究科の坂井美紀研究員、関隆広教授、竹岡敬和准教授らの研究グループは、地球上に無尽蔵に存在するシリカを主成分とした微粒子と植物から得られるタンニン酸と鉄から得られるタンニン鉄を利用して、様々な鮮やかな色の顔料が作れることを発見しました。この顔料は、安全で安価な素材から作られた顔料であるため、現在問題視されている毒性のある重金属を含有する顔料や発がん性を示す染料に代わる新しい色材になることが期待されます。
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橋梁長寿命化推進室が第3回インフラメンテナンス大賞を受賞

総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、防衛省は、第3回インフラメンテナンス大賞を発表し、本学工学研究科土木工学専攻 橋梁長寿命化推進室が、メンテナンスを支える活動部門において2019年の文部科学大臣賞を受賞しました。
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寄附による支援事業を開始

多くの方々からの工学部・工学研究科支援事業に対する寄附を活用し、博士課程入学者への奨学奨励金の支給と若手研究者への研究助成事業を開始しました。
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(バッファロー)牧誠記念研究助成

パソコン周辺機器のトップブランドである「バッファロー」を中核とするメルコグループの創業者である故牧誠氏からの寄附を原資とし、工学系分野において顕著な業績を挙げつつある若手研究者又は研究の萌芽を生み出しつつある若手研究者に対し、研究費の助成を行い、学術研究の振興を図るものです。


工学研究科奨学奨励金

名古屋大学学術憲章の基本理念及び寄附者の意向に基づき、名古屋大学大学院工学研究科博士後期課程に入学した学生に対し、その学修、研究活動を奨励します。

キャリア MAP

 

藤本 和士さん

名古屋大学 工学研究科 助教

新しいこと、不可能と言われていることへチャレンジ!

名古屋大学工学研究科化学・生命工学専攻での研究生活が、やはり最も思い出深い期間です。私は実験的手法による研究ではなく、分子動力学(AA-MD)計算という計算機を利用した研究に強く惹かれました。この手法の面白いところは分子を直接観測できるところにあります。博士課程の研究では、界面活性剤の可溶化という現象を行ってきました。学位取得後、立命館大学薬学部へ赴任し、タンパク質や薬剤の研究に従事しました。2014年から再び名古屋大学で現職につき研究を行っております。赴任後は高分子の研究をメインに行っております。

このように、私はAA-MD計算を用いて様々な系、新しい系を対象に研究を行っています。また、高分子のAA-MD研究は最初不可能とも言われた研究でした。新しいことや、チャレンジングな研究は非常に困難で挫折の連続です。しかし、達成した時の喜びは計り知れません。さらに、新しいことへのチャレンジは、新しい知識・考え方や、これまでとは違った分野の友人ができ、大変刺激的です。そのおかげで現在、異分野を融合した研究もスタートしました。ぜひ、皆さんも色々なことへチャレンジし、可能性を広めてください!


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新土 誠実さん

積水化学工業株式会社
高機能プラスチックスカンパニー開発研究所
先端技術センター 第3グループ

目の前のチャンス、ためらわずつかんで。

思えば名大での人生は、ひたすら目の前のチャンスに取り組むことの連続だったように感じます。出会った研究内容は、構造を織りなすように高分子を作り、光で整え、動かし、そしてメカニズムを明らかにすること。博士まで行けば一つの研究として完成できるかも、というチャンスに恵まれ、思い切ってつかんでみることにしました。その結果、メカニズムの解明もでき、国内外の学会での発表、半年のフィンランド留学など、様々なチャンスに恵まれ、忘れられない研究生活となりました。

入社後は、発泡体や接着剤の研究開発に従事し、新しい材料の開発から製品化の検討まで様々なチャンスに恵まれてきました。現在は、パソコンなどの内部にある電子材料向けのシート状接着剤を開発しています。いくつもの相反する性能を共存させる、大変ハードルの高い開発です。この製品がないと高性能の電子機器が作れないため、とてもやりがいがあります。大学での専門分野とは違いますが、チャンスにためらわず挑戦できたのは、前例がない研究の進め方、明らかになるまでやりきる力を研究室で身につけたためだと思っています。チャンスを追いかけてきたら、自分の想像よりずっと広がった人生になりました。これをお読みのあなたも、目の前にあるチャンスをぜひためらわずつかんでください。そのチャンスが名古屋大学であり、化学生命工学科であれば幸いです。


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川口 昂彦さん

静岡大学
学術院工学領域
電子物質科学系列 助教

研究も、合唱も。突き詰める姿勢が研究職の素養に。

研究室で鉄系超伝導体という新物質の薄膜化に挑戦、合唱団サークルで指揮者に就任、さらに社会人の合唱団も2つ掛け持ち、塾講師のアルバイトも、と充実した学生生活でした。思い出深いのは修士課程での学会直前のこと。1年ほどかけて試料数が200近くなっても薄膜は超伝導を示さず……沈んだ気持ちで学会発表の準備をしていました。そこで、気分転換に実験をしようと思い立ち、失敗だと思って未測定だった薄膜を測定にかけました。すると、その薄膜が超伝導を示したんです! 暗中模索だったところに光が見えて興奮し、急きょ発表内容に組み込みました。その後、この結果がカギとなり、分野内において世界最高特性を示す薄膜を作ることに成功し、超伝導100周年を記念したオランダでの国際学会で招待講演をしました。

就職先は研究職以外に考えられませんでした。これは、合唱団での指揮者としての経験の影響かもしれません。指揮者って研究職と似ているんです。曲の成り立ちから深く調べ、考察し、練習という名の実験を繰り返して最適解を見つけ出す。「できるまでやる!」という姿勢も重要でした。これらの経験が研究職としての素養につながったのだと感じています。現在取り組んでいるのは、「室温トポロジカル磁性を示唆する窒化物の薄膜化と物性解明」。薄膜を作る研究を続けています。室温で使える材料の開発にこだわるのは、実用化を踏まえているから。大きな夢の実現を見据えて、研究に励む日々です。


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朝羽 俊介さん

株式会社東芝
研究開発センター 研究主事

とことん思考する。恐れず試す。チャレンジへの姿勢は今も同じ。

私が所属していた研究室のモットーは、「自分の手を動かすこと」でした。子どもの頃から工作や実験が好きだったこともあり、新しい性質を持った半導体材料を生み出すべく、夢中になって多種多様な実験をしました。実験装置のメンテナンスや改造をしたり、他グループの実験を手伝ったりもしながら、幅広い知識と経験を得られました。山ほどの失敗と少しの成功を繰り返しながら、楽しんでトライを続けました。
大学院での専攻を生かして半導体に携わる現在は、自動車や鉄道、エレベータ、太陽光発電などの電力変換器に使われる、パワー半導体を相手にしています。従来のSiよりも装置を高効率かつ小型・軽量化できる材料として注目を集めるSiCの、すぐれた材料特性を引き出す製造プロセス技術を研究しています。次世代の高性能なSiC半導体の創出に必要なのは、実験結果を正確に理解し、合理的かつ独創的なアイデアを提案すること。それにはまさに名大での研究のように、課題にとことん向き合って考えるとともに、まずはトライすることが求められ、その繰り返しを今も楽しんでいます。この手で進化させた技術が、世界中で働く機械を動かし人の生活を支えることを夢見ながら、今日も挑戦を続けます。


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大坂 侑吾さん

金沢大学
理工研究域機械工学系 助教

進んだ道が、最善の選択になる。

高校時代は、「エネルギーや環境に関すことを研究したいなぁ」と、漠然と考えていました。受験に失敗してもあきらめきれず、浪人を経て名古屋大学工学部へ入学したものの、第一志望の学科ではありませんでした。1年次には遊びに集中しすぎて成績がふるわず、2年次から志望コースにはすすめませんでした。傍目に見たら、挫折の連続です。けれど大学では“人”との出会いに恵まれました。友人と講義室の黒板で、講義内容を互いに予習復習することを日課とし、ただ単位を修得する暗記学習から、活きた知識の習得へと意識が変わっていきました。研究室でも、よき恩師と友人に出会いました。大気圧非平衡プラズマを用いた酸素燃焼火炎の制御法に関する研究に従事する中で、厳しくも愛のある(当時は感じ取れませんでしたが)先生の考え方や人間性にふれ、自然と博士課程へ。リーダー(自称)となり研究室をまとめ、誰よりも研究に打ち込む(自称)うちに、大学機関での研究に魅了され、学位取得後、気づけば金沢大学で教員として働き始めていました。現在は、学生時代に学んだ大気圧非平衡プラズマ技術を応用した、燃焼ガスのゼロエミッション化や低温熱エネルギー利用技術の研究に、学生と日々邁進しています。進んだ道が、最善の選択になっています。


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廣田 靖樹さん

株式会社豊田中央研究所
熱制御研究室 主任研究員

あふれる探究心は、専門分野を超え、壁を破る。

ほどほどでは気がすまず、関心を持ったことにはどっぷり浸った大学時代。電子工作をしたのがきっかけで、アパートの部屋に小型の旋盤やフライス盤といった工作機械を導入したばかりか、専門外の電気や機械を独学で学びながら、最後には“機械をつくるための機械”づくりに夢中でした。その知識を、研究に必要な装置をゼロから製作するために生かし、ほとんどの部品を自作。それまでの装置では得られなかった正確なデータを入手し、狙いどおりの結果が次々と出て研究にも夢中になり、気づけばまったく予定になかった博士課程へと進んでいました。
現在の業務は、100℃未満の廃熱を空調に有効活用して電気エネルギーを節約する機器、ヒートポンプの研究です。テーマは大学時代の研究と共通ですが、トヨタ自動車の「トヨタ環境チャレンジ2050」という目標達成に貢献するべく、高効率化を追求し続けています。すでに大学時代に考えていた目標を大きく超えた技術レベルに達し、基礎研究から開発フェーズへと進んでいるものの、製品化には課題が山積。それでも、大学時代に手に入れた知識や経験のように、分野を超えて得意と言えることがあれば、案外行き詰まりにくく、ほかの研究者とも違った進め方ができるもの。そう実感しています。


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鈴木 陽香さん

名古屋大学 大学院工学研究科
電子工学専攻 助教

不可能を可能に。そして現実の製品に。それが工学研究の喜び。

好きな物理を社会に役立てたいと選んだ工学部。音楽系サークルの活動や家庭教師のアルバイトに挑戦し、選択科目の講義はまず一とおり受けてみて興味に合ったものを受講するなど、大学内外のいろいろなことに目を向ける中で夢中になったのは、プラズマの研究でした。学部~修士時代の研究テーマは、不安定要素の多い液体表面とプラズマとの反応の解明。めざした成果には到達できませんでしたが、前例のない研究は意欲をかき立て、国内の学会での発表やイギリスへの交換留学も経験して視野を広げることができました。

修了後は就職も考えましたが、それ以上に強かったのは、研究を続け成果を出したいという思い。博士課程以降は、高密度のプラズマを均一に広範囲で照射できる大気圧プラズマ装置の開発に取り組んでいます。もともと私がプラズマに惹かれた大きな理由は、応用のために電気や化学・機械・物性の幅広い知識を駆使する点。まさにそれができる研究で、独自の装置を開発し、企業と共同で数年後の半導体製造現場などでの実用化をめざしています。学部時代に進路指導の先生から、その自由度や女性研究者への期待を聞いて惹かれた研究の道で、不可能を可能に変え製品として現実の形にできる、工学研究の喜びを味わっています。


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林 泰広さん

中部電力株式会社
電力ネットワークカンパニー
送変電部 技術戦略・開発グループ

パズルのように小さな積み上げが、やがて大きな変革をもたらす。

将来、何か社会に役立つ仕事ができそうだと選んだ、当時の電気電子情報工学科。学部時代は自分の興味の方向性を見きわめるため、情報や電子系を含むほぼすべての講義に出席し、友人たちと切磋琢磨しながら単位を取得しました。そして選んだ研究室は、強電分野。送電経路を遮断する際に発生するアーク放電を、従来のSF6ガスではなく、環境にやさしいCO2などの混合ガスによって消すという、前例のない基礎技術の研究に取り組みました。なかなか思い通りの結果は出ず、出たとしても本当に正しいかを確認するまで喜べない。それでも、パズルのように地道に積み上げ解を出すことが好きな性格と、先生からの「成果を求めても、すぐには手に入らない」という言葉を励みに、研究を楽しみました。

就職後は変電設備の改修・保守に伴う設計業務を経て、新設備の導入検討業務の担当に。国際規格に準拠した設備を当社に導入することも視野に検討を行っていきます。電力自由化など変革期にあるこの業界で、幅広い技術情報を収集し、成果を急ぐことなく積み上げていき、これからの社会に合う技術によってエネルギー供給のあり方に革新を起こす――名大での6年間にも通じる姿勢で、そんな仕事に挑んでいきます。


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劉 暁旭さん

名古屋工業大学
電気・機械工学科 助教

多くの出会いと挑戦を糧に、日本で研究を続ける道へ。

中国・北京で修士課程に在学していた時、多くの国際会議への参加が刺激となり、海外で博士課程に進もうと決心しました。日本を選んだのは、機械の研究分野のレベルが世界的に高いから。その中でも名古屋大学を選んだのは、製造業の中心地である東海地方に位置し、学術的雰囲気が強いからでした。名古屋大学で取り組んだのは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜のトライボロジー特性に関する研究。初めの頃は、日本語の会話もままならず困難も多かったのですが、先生や仲間が熱心に助けてくれました。研究を楽しむ仲間の姿勢に影響を受け、トライボロジーに魅了されるように。国内外の学会に数多く参加して、研究者の方々から多くの助言をいただくほか、企業との交流会で代表学生として研究発表を行い、日本の高い技術力にふれて感銘を受けました。こうした多くの経験を通して、トライボロジーの社会的意義を深く理解すると同時に、研究室の先生方への敬意も深まり、日本の大学で研究を続ける道を選択しました。
現在の研究目標は、「自動車エンジンのより低燃費化」と「切削工具の切削性能の向上と長寿命化」。独自の研究に挑戦し、国際的な学術活動を促進したいと考えています。さあ、あなたも名古屋大学で「勇気ある知識人」になりましょう!


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池田 遼輔さん

三菱電機株式会社
先端技術総合研究所
駆動制御システム技術部 研究員

名大でのめり込んだモノづくりの研究。次は世界初・世界一を。

モノづくりに携わるエンジニアになりたいーーそう考えて、名大の工学部に入学しました。3年次までは、人力飛行機サークルに所属。飛行機を飛ばすだけでなく設計・製作から行うこのサークルの代表として、寝食を忘れてモノづくりに没頭しました。仲間の協力もあり、人力飛行機の大会“鳥人間コンテスト”では、優勝という成果を残すことができました。
4年次から所属したのは、機械をつくるための機械“工作機械”に関する研究室。研究では、まだ誰も果たしていない現象や理論の解明をしなくてはなりません。その過程でいくつも現れる困難な課題を乗り越えるため、日々、実験と解析の繰り返しでした。それでも制約なく自らの自由な発想で進められる楽しさと、成果が出たときの達成感は大きく、気がつけば研究にのめり込んでいました。企業の研究所に所属する研究員となった現在も、工作機械に関する研究を継続しています。大学時代と比べると、研究内容は製品に近いもの。違いはあれど、名大の自由闊達な学風の中でモノづくりや研究に取り組んで培われた知識や能力、発想は、大いに役に立っていると感じます。10年後や100年後の生活をよりよくする、世界初・世界一の技術をつくり出すこと。それが次の目標です。


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伊藤 孝明さん

富士フイルム株式会社
R&D統括本部
メディカルシステム開発センター

“世の中初”に挑む。研究のプロセスと喜びは、仕事でも同じ。

地元の工学部という理由で名古屋大学工学部に入学したものの、学ぶ内容がおもしろいと思えず、名大祭実行委員や短期語学留学に費やした大学生活の前半。3年次には就職活動を始めましたが、これという就職先に出会えませんでした。

転機は4年次の研究室配属。「テーマを自分で選び、まだ世の中で解明されていないことを初めて発見する」研究は、それまでの学びとはまったく違うもの。正解のない問題に対して、仮説を立て実験で検証する試行錯誤の中で、「物理的に何が起きているのだろう?」と考察する楽しさに、修士を終えるまでの3年間、夢中になりました。

開発を担当した、乳がん検査用デジタル・マンモグラフィなどのX線装置では、世界最小の被曝量を実現する新技術を開発し、アメリカの学会で発表もしています。開発過程では未知の問題が数々発生しますが、「物理的に何が起きているか、可能性を考えて仮説を立て、検証する」というプロセスとおもしろさは、大学時代の研究と同じ。この先も世の中にない技術を開発し、新しいコンセプトの製品を創り出すことが、私の目標です。


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内村 星央さん

三菱重工サーマルシステムズ株式会社
空調機技術部
マルチパッケージエアコン設計G

多くの出会いで広がった視野で、モノづくり全体を動かしたい。

ノーベル賞受賞者を多く輩出する研究環境に惹かれて入学した名大に待っていたのは、数多くの出会いでした。原子力発電所の使用済燃料の再処理に伴って発生する高レベル放射性廃液の処分に使う材料の研究では、机上の検討を実験に移すため、何度も先生方の助言を仰ぎ、仲間と議論して、方針を決定。試行錯誤をしながらも、予測した結果が得られる達成感を味わいました。留学生が比較的多い名大では、研究アシスタントを務める経験もしました。英語でディスカッションをしながら実験を進め、想定どおりの結果にならないときには一緒に解決策を模索する中で、コミュニケーション力が高まっていくのを実感。それだけでなく、自分自身の研究と並行して留学生の研究を手伝うためのスケジュール管理能力もつき、大きな成長につながりました。現在、私が携わっているのは、ビルやホテルの各個室を一括管理できるエアコン室外機の開発です。大きすぎず全体を見渡せる規模の製品に、広い裁量を与えられ開発の計画段階から量産まで関われることに、魅力を感じています。ゆくゆくは開発リーダーとして「自分が手掛けた」と言える製品を世に送り出すことが目標。名大で多くの人と出会い、文化の異なる相手とも接して得た広い視野は、大きな力になるはずです。


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三輪 富生さん

名古屋大学
未来材料・システム研究所 准教授

「なんとなく土木」を、研究にのめり込ませた出会い。

理系だから工学部。身近な土木なら後悔しないだろう。そんな理由で進路を決めた、決して真面目とはいえない学生でした。専門科目には興味深いものもありましたが、4年次に選んだ研究は正直つまらなかった。何か見つかるかもと修士に進んだものの、やはり同じ。ついに中退を決意し研究室の教授に打ち明けると、「それならアルバイトとして、この計算をしてくれないか?」と、教授の研究の一部を手伝うことになりました。

交通計画を立案するため人の行動を数理モデル化する、卒業研究とも共通する内容でしたが、ちゃんと取り組んでみるとこれがおもしろい。だれも知らない答が出てくる。数式をアレンジすると答が変わる。気がつけば、自分でも驚くほど研究にのめり込んでいました。クルマで信号待ちする間にも教科書を読むほどです(笑)。

修了後は企業に就職しましたが、人と違った新しい研究を進めたいとの思いが強くなり、博士課程に再入学。現在は准教授として、当時の指導教官である教授の下、国土交通省などのプロジェクトにも携わりながら、交通計画に関する研究を続けています。独自の研究成果を論文として残したい。その思いが私のエネルギーです。


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鵜飼 真貴子さん

名古屋大学
環境学研究科 助教

やりたいことにいつも手が届く、心強い環境の中で。

幼少時代、住宅の解体から新築までの様子を目の当たりにしてモノづくりの楽しさを感じ、将来は建築に関わりたいと思うようになりました。名大入学後に、建築の三大要素である“用・強・美”の概念を初めて学び、「私はこの先、何を研究していきたいのだろう?」と考えたとき、強く惹かれたのが“用”でした。希望どおり配属された環境設備系の研究室では、1年間のスウェーデンへの交換留学や学会での発表など、やってみたいと思ったことに絶えずチャレンジ。それができる心強い環境の中で、少しの疑問も深く追究し、解決できたときの何にも代えがたい喜びを味わいました。そして、もっと研究を続けたいと、博士課程後期への進学を決意しました。
助教となった現在は、学生時代から研究している太陽熱をはじめとする再生可能エネルギーの利用に加え、エネルギーマネジメントにおけるAIやIoTの活用、ZEBの国際比較などがテーマ。世界各地での記録的な寒波や酷暑など、屋外環境が日々変化する中で、エネルギー消費の多くを占める建物が果たす責任は大きいと感じています。これからの屋外環境や社会の変化に対応する建築環境設備のあり方を、地道に研究していきたい。そのための新たなチャレンジは、今も続いています。
※年間のエネルギー収支がゼロとなる建物


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学び
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工学部長・工学研究科長
水谷 法美

「工学」は、科学を人や社会に役立つ技術へと展開する総合的な学問分野です。その対象は、化学、物理、材料、電気、機械、エネルギー、建築、土木など多岐にわたっています。
産業革命以降、機械化と共にものづくりはめざましい進展を遂げ、それにともなって人々の生活も大きく様変わりしました。一方、現在に至るまでに地球環境問題や化石燃料や資源の大量消費と枯渇などの問題もクローズアップされています。また、工学の担う範囲は、従来の分野だけでなく、医療や創薬、エネルギーや環境、あるいは防災など、大きく広がってきています。最近では、人工知能の急速な高度化が、近い将来、人々の生活や社会構造を大きく変えようともしています。
このような情勢の中で、より高いレベルで「工学」を修め、世界のものづくりのリーダーとして皆さんに活躍していただきたいと願っています。
名古屋大学は門のない開かれたキャンパスが特徴です。緑あふれるキャンパスで、私たちと共に「工学」を学び、直面する課題に果敢に挑戦し、工学分野で「勇気ある知識人」として、赤﨑先生や天野先生に続きましょう。
すばらしい研究成果を皆さんと共に世界に向けて発信できることを楽しみにしています。

ノーベル賞受賞者を生み出した自由闊達な学風の下で実施する
Basics ‒ Specialization - Innovation 教育

より良い工学系人材・勇気ある知識人の育成

世界を代表するものづくり産業の集積地である中部地区の中心的研究大学として、より良い工学系人材育成の期待に応えるため、工学基礎教育を重視すると共に、専門性と総合性を備えた人材育成を目的とした教育組織とカリキュラムを再編成し、学部及び大学院を一体で2017年に改組しました。
グローバリゼーションが加速する国際情勢、新しい価値創造や技術革新をもたらす人材育成の急務化、年齢分布が逆ピラミッド型に変わってゆく状況における社会的なニーズなどの工学分野をめぐる情勢に対応します。
理工系人材育成の必要性を踏まえ、工学全般の分野を網羅した学科・専攻とし、博士人材の育成に繋げます。
育成する人材像(教育目標)

工学部

工学を拓くための学力および資質・能力を備え、
科学に対する強い興味をもとに社会に貢献する人を育てます。

大学院工学研究科

次世代の「工学・技術」を創造・牽引する能力を有し、
(豊かな)専門性と同時に(高度な)総合性と、
(広い)国際的な視野を併せもった、研究者・技術者を育てます。
※( )は、後期課程に付加

学科紹介

化学生命工学科
物理工学科
マテリアル工学科
電気電子情報工学科
機械・航空宇宙工学科
エネルギー理工学科
環境土木・建築学科