名古屋大学工学部 受験生応援スペシャルサイト

NEWS HEADLINE

岡本 佳男 特別教授が
2019年(第35回)Japan Prize「日本国際賞」を受賞

[受賞業績]
らせん高分子の精密合成と医薬品等の実用的光学分割材料の開発への先駆的貢献

化学組成が同じで、左手と右手のように重ね合わせることのできない立体構造をもつ一対の分子が存在することがある。(図1)こうした2つの分子は鏡に映した像どうしの関係にあるので、鏡像異性体と呼ばれ、鏡像異性体は体内に入ると別々の生理作用を示すことがあり、一方には医薬品としての効果があるのに、もう一方には副作用があったり効果がなかったりする場合がある。医薬品や農薬などの製造では、鏡像異性体の一方だけが必要とされることがよくあるが、通常の化学合成で生じるの鏡像異性体が同量含まれる混合物であり、鏡像異性体は融点や沸点が同じなので、両方の分離は簡単ではない。
岡本 特別教授は、一方巻きらせん高分子の合成に世界ではじめて成功し、このらせん高分子を円筒に充填し、鏡像異性体の混合物を溶媒とともに注入すると、一方の異性体はらせん高分子に捕まり、もう一方はそのまま流れ落ちる仕組みをもちいて、鏡像異性体の分離(光学分割)が簡便にできるようにした。(図2)
実用化されたらせん高分子による光学分割の技術は、世界中の研究機関や企業で広く利用され、医薬品・香料・機能性材料などの研究開発や製造に多大の貢献をしている。
らせん高分子合成の基礎から実用に至る業績は、国際的に高く評価され、今回の受賞となった。

日本国際賞は、全世界の科学技術者を対象に、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる者に与えられるもので、毎年、科学技術の動向を勘案して決められた2分野で受賞者が選定されます。
岡本 特別教授は、「物理、化学、情報、工学」領域、「物質・材料、生産」分野において、名古屋大学関係者では竹市雅俊特別教授に次ぐ2人目の栄えある受賞となり、授賞式は、4月8日(月)に天皇皇后両陛下ご臨席のもと行われました。
(資料提供:公益財団法人国際科学技術財団)
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名古屋大学に世界最高峰の低温プラズマ科学研究拠点
「低温プラズマ科学研究センター」を創設!

▶電子工学専攻 堀 教授ほか

我が国で初の低温プラズマ科学分野における文部科学省認定の共同利用・共同研究拠点となる「低温プラズマ科学研究センター」を、2019年4月1日に設立。低温プラズマは、超低消費電力大規模集積回路に代表される電子デバイス、新機能素材、太陽電池、燃料電池などへの応用研究領域をはじめ、最近では医療、農水産分野においても新たなライフイノベーションを起こすなど、我が国のものづくりの生命線を担う最重要科学技術分野とされている。
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未来エレクトロニクス創成加速
DII協働大学院プログラム(卓越大学院プログラム)

▶プログラムコーディネーター 天野 浩 教授

海外トップ大学や民間企業等の外部機関と組織的な連携を図り、世界最高水準の教育・研究力を結集した5年一貫の博士課程学位プログラム。電気系、マテリアル系、機械系、物理系の専攻が中心となって実施中。Deployer-Innovator-Investigatorを輩出するために、起業も含めて三位一体で行うプログラムは世界で初めてで、様々な問題解決のために、最先端の研究成果をいち早く社会実装できる場。
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太陽光発電の普及に期待!
~ 太陽電池の高性能化に有用な新材料の開発 ~

▶材料デザイン工学専攻 山本 剛久 教授
 物質プロセス工学専攻 宇佐美 徳隆 教授、黒川 康良 准教授ほか

住宅やメガソーラーなどで普及する結晶シリコン型の太陽電池の性能を高める技術を開発。基板表面を酸化チタンの薄膜などで覆い、電子などを効率よく取り出せるようにした。詳細な構造の解明により、高性能な新材料を作製するための構造設計の指針を示すことができ、太陽電池の高性能化が期待できる。
2019年度中に大型の太陽電池を試作し、性能を詳しく解析する。
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世界初! 地球近傍の宇宙で発生するプラズマと電磁波の
相互作用発生域の可視化に成功
~ 最新の科学衛星「あらせ」と極北のオーロラ観測から
宇宙の物理現象を理解 ~

▶宇宙地球環境研究所/電気工学専攻 三好 由純 教授、塩川 和夫 教授ほか

科学衛星「あらせ」が地球から約3万キロ離れた距離でコーラス波動を捉えたと同時に、そのコーラス波動に伴う波動粒子相互作用が引き起こした突発発光オーロラを地上で捉え、波動粒子相互作用発生域の形状変化が数十ミリ秒単位で非対称に発達することを明らかにした。
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「合流が苦手」なんて言わせない!
〜 自動運転車両の円滑な合流を実現する
V2I型ブロードキャスト制御技術を開発 ~

▶機械システム工学専攻 東 俊一 教授ほか

V2Iの環境において通信コストの低いブロードキャスト型の制御によって、高速道路等で円滑に合流を実現するための自動運転技術を開発した。
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大気中のチリが雲に与える影響を正確に再現
〜 「京」を用いた高解像度の気候シミュレーション ~

▶総合エネルギー工学専攻 佐藤 陽祐 助教ほか

スーパーコンピュータ「京」を用いた超高解像度全球大気シミュレーションにより、大気中の粒子状のチリが雲に与える影響を正確に再現。
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従来の手法よりも簡単に三次元網目構造を有する
高分子ゲルの調製に成功!
~ 未来医療・ソフトロボットへの適用に期待!~

▶有機・高分子化学専攻 関 隆広 教授、佐藤 浩太郎 准教授、
上垣外 正己 教授、竹岡 敬和 准教授ほか

高分子ゲルは、タンパク質や核酸の分離に利用できる分子篩(ふる)い材料、おむつなどに用いる高吸水性材料、ソフトコンタクトレンズ、芳香剤などに使用される徐放性材料、スポーツ用品や靴底に入れる振動吸収材料など、その網目構造の性質を利用することで様々な製品に用いられている。
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光がなければ結晶は壊れない?
~ 結晶の知られざる性質を発見!~

▶物質科学専攻 松永 克志 教授、中村 篤智 准教授ほか

無機半導体の結晶が暗室下であれば常温でも異常に大きな可塑性を示す現象を発見。この現象の発見により、半導体やセラミックスなどの脆い材料の製造・利用・加工の分野が大いに広がる。
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学生住宅デザインコンテストでグランプリを受賞

平成30年10月2日、毎日新聞社主催「第4回学生住宅デザインコンテスト」で、本学工学部環境土木・建築学科4年の竹内宏輔さん、久保元広さんの作品「マチドマのある暮らし」が全207点の中からグランプリを受賞。
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エネルギー変換エレクトロニクスの
実験施設(C-TEFs)と研究館(C-TECs)が完成

窒化ガリウム(GaN)研究拠点の整備の一環として、未来エレクトロニクス集積研究センターに、世界屈指のクリーンルームを有する「エネルギー変換エレクトロニクス実験施設“C-TEFs”」と、産学協働研究ラボを含む学内外の研究者、学生が集結する「エネルギー変換エレクトロニクス研究館“C-TECs”」が完成。under-one-roof で垂直統合した世界唯一のGaN研究拠点として、研究開発の加速を図る。

本学フォーミュラチームFEMが第16回全日本
学生フォーミュラ大会においてEVクラス2連覇

2018年9月4日から8日の間、静岡県の小笠山総合運動公園において開催された第16回全日本学生フォーミュラ大会(公益社団法人自動車技術会主催)において、本学フォーミュラチームFEMがEVクラスで2連覇。
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工作機械施設の建設に着工

ものづくりに不可欠でマザーマシンと言われる工作機械。その大手であるオークマ株式会社の寄附による「オークマ工作機械工学館」の建設がいよいよスタート。2020年4月、新施設で工作機械の最先端研究を通じた、世界のものづくりをリードする人材育成が始まる。
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キャリア MAP

 

内藤 豊裕さん

京都大学 大学院工学研究科
材料化学専攻 助教

将来は、決めずに進む方がおもしろい。

自分の進む道を決めつけず、そのとき興味関心を持ったことに取り組む。名大での学科も研究室も、そんな考え方で選びました。若くして高い業績を上げる先生方も多い魅力的な環境の中、私が選んだテーマは、医療分野の研究に貢献するデバイスの開発。細胞を通過させるだけで、培養やDNA抽出など時間と手間のかかる複雑な工程が完了する、夢のデバイスです。たった1人で壮大な目標を相手に、数々の困難に直面しながらも、細かく指示されることなく、可能性のある方法を自由に試せる研究の魅力を味わい、3回のオランダ短期留学も経験しました。

博士課程修了後は京大に籍を置くチャンスをいただき、名大時代からの基礎技術を利用して低分子を分離するデバイスを研究しています。加えて現在、最大の関心を持って挑んでいるのが、従来この分野の研究において「経験上うまくいく」とされてきたある実験手法の真偽と原理を明らかにする研究。一風変わったテーマですが、これまで明らかにされてこなかった、教科書に載るレベルの事実を解明したい。それをやり遂げた先は、研究を続けているかもしれないし、修士時代から興味のある、技術と社会を橋渡しするような職業に就いているかもしれない。可能性は、今も一つだけではありません。


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村上 歩さん

株式会社ノリタケカンパニーリミテド
開発・技術本部 研究開発センター
プロセス開発グループ

多様な人の考えにふれる。そこに思いもよらないヒントがある。

大学時代の思い出でまず頭に浮かぶのは、研究室での3年間です。研究だけでなく、ソフトボールやサッカーの大会など遊びにも全力を注ぐメンバーに刺激を受け、私もがん治療に役立つ人工骨材料の研究にワクワクしながら取り組みました。まだないものを生み出すため、先行論文を参考に、研究室にある器具を使い実験装置を手づくりするなどの苦労も。それでも家族のように何でも話せる雰囲気の中、先輩に相談してはアドバイスをもらい自分の創意工夫を盛り込んだ装置を形にする過程は、とても楽しいものでした。

無機材料をコア技術に事業を展開する当社に入社した後は、専攻を活かして燃料電池や食器のインクジェット用加飾インクなどの開発に携わっています。新技術を使った食器が世に出るだけでなく、その後も多様な用途に技術が次々と応用されることを視野に入れて開発に取り組んでいます。自由度の高い開発環境の中、今も積極的に周囲の人に相談するのが私のやり方。自分の考えに固執したのでは得られない、思いもよらないヒントが会話の中にある――大学の研究室に加え、名大祭実行委員やダンスサークルで他学部や学外の多様な友人と関わって実感したその考えを大切に、活発な議論を楽しみ、開発に役立てていきます。


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近藤 猛さん

東京大学
物性研究所
極限コヒーレント光科学研究センター 准教授

工学部からつながっていた、想像以上の未来。

物理を学び、探究したい。研究者になる将来を漠然と思い描き理学部を目指しましたが、受験がうまくいかず範囲を広げて探し、工学部物理工学科の存在を知りました。入学後は望みどおり物理の基礎を学べたうえ、世の中とつながる多彩な研究を知り、視野が広がるのを実感しました。そのうえで4年次には、初心を貫いて基礎物理の研究を選択。“高温超伝導体発現のメカニズム解明”をテーマに、修士までの3年間で、試料である銅酸化物の結晶作製から、海外を含む学内外の設備を使った実験までを経験しました。

その後も研究を続ける道を選び、博士課程と米国MIT・アイオワ州立大学での研究を経て、現在の東京大学へ。同じテーマの研究を続け、独自の実験装置を使って見出した新たな仮説を発表しています。

今振り返ると、トップではないからこそ努力する学生が集まる名古屋大学の風土が、現在につながる原動力に。超伝導という現象をシンプルなアイデアで説明できるレベルまで解明するのは苦難の道ですが、一つのテーマと長年向き合う中で多彩な現象を理解できる物理学の研究は、まさに自分が求めていたこと。その魅力を、思う存分味わっています。


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朝羽 俊介さん

株式会社東芝
研究開発センター 研究主事

とことん思考する。恐れず試す。チャレンジへの姿勢は今も同じ。

私が所属していた研究室のモットーは、「自分の手を動かすこと」でした。子どもの頃から工作や実験が好きだったこともあり、新しい性質を持った半導体材料を生み出すべく、夢中になって多種多様な実験をしました。実験装置のメンテナンスや改造をしたり、他グループの実験を手伝ったりもしながら、幅広い知識と経験を得られました。山ほどの失敗と少しの成功を繰り返しながら、楽しんでトライを続けました。
大学院での専攻を生かして半導体に携わる現在は、自動車や鉄道、エレベータ、太陽光発電などの電力変換器に使われる、パワー半導体を相手にしています。従来のSiよりも装置を高効率かつ小型・軽量化できる材料として注目を集めるSiCの、すぐれた材料特性を引き出す製造プロセス技術を研究しています。次世代の高性能なSiC半導体の創出に必要なのは、実験結果を正確に理解し、合理的かつ独創的なアイデアを提案すること。それにはまさに名大での研究のように、課題にとことん向き合って考えるとともに、まずはトライすることが求められ、その繰り返しを今も楽しんでいます。この手で進化させた技術が、世界中で働く機械を動かし人の生活を支えることを夢見ながら、今日も挑戦を続けます。


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大坂 侑吾さん

金沢大学
理工研究域機械工学系 助教

進んだ道が、最善の選択になる。

高校時代は、「エネルギーや環境に関すことを研究したいなぁ」と、漠然と考えていました。受験に失敗してもあきらめきれず、浪人を経て名古屋大学工学部へ入学したものの、第一志望の学科ではありませんでした。1年次には遊びに集中しすぎて成績がふるわず、2年次から志望コースにはすすめませんでした。傍目に見たら、挫折の連続です。けれど大学では“人”との出会いに恵まれました。友人と講義室の黒板で、講義内容を互いに予習復習することを日課とし、ただ単位を修得する暗記学習から、活きた知識の習得へと意識が変わっていきました。研究室でも、よき恩師と友人に出会いました。大気圧非平衡プラズマを用いた酸素燃焼火炎の制御法に関する研究に従事する中で、厳しくも愛のある(当時は感じ取れませんでしたが)先生の考え方や人間性にふれ、自然と博士課程へ。リーダー(自称)となり研究室をまとめ、誰よりも研究に打ち込む(自称)うちに、大学機関での研究に魅了され、学位取得後、気づけば金沢大学で教員として働き始めていました。現在は、学生時代に学んだ大気圧非平衡プラズマ技術を応用した、燃焼ガスのゼロエミッション化や低温熱エネルギー利用技術の研究に、学生と日々邁進しています。進んだ道が、最善の選択になっています。


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廣田 靖樹さん

株式会社豊田中央研究所
熱制御研究室 主任研究員

あふれる探究心は、専門分野を超え、壁を破る。

ほどほどでは気がすまず、関心を持ったことにはどっぷり浸った大学時代。電子工作をしたのがきっかけで、アパートの部屋に小型の旋盤やフライス盤といった工作機械を導入したばかりか、専門外の電気や機械を独学で学びながら、最後には“機械をつくるための機械”づくりに夢中でした。その知識を、研究に必要な装置をゼロから製作するために生かし、ほとんどの部品を自作。それまでの装置では得られなかった正確なデータを入手し、狙いどおりの結果が次々と出て研究にも夢中になり、気づけばまったく予定になかった博士課程へと進んでいました。
現在の業務は、100℃未満の廃熱を空調に有効活用して電気エネルギーを節約する機器、ヒートポンプの研究です。テーマは大学時代の研究と共通ですが、トヨタ自動車の「トヨタ環境チャレンジ2050」という目標達成に貢献するべく、高効率化を追求し続けています。すでに大学時代に考えていた目標を大きく超えた技術レベルに達し、基礎研究から開発フェーズへと進んでいるものの、製品化には課題が山積。それでも、大学時代に手に入れた知識や経験のように、分野を超えて得意と言えることがあれば、案外行き詰まりにくく、ほかの研究者とも違った進め方ができるもの。そう実感しています。


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鈴木 陽香さん

名古屋大学 大学院工学研究科
電子工学専攻 助教

不可能を可能に。そして現実の製品に。それが工学研究の喜び。

好きな物理を社会に役立てたいと選んだ工学部。音楽系サークルの活動や家庭教師のアルバイトに挑戦し、選択科目の講義はまず一とおり受けてみて興味に合ったものを受講するなど、大学内外のいろいろなことに目を向ける中で夢中になったのは、プラズマの研究でした。学部~修士時代の研究テーマは、不安定要素の多い液体表面とプラズマとの反応の解明。めざした成果には到達できませんでしたが、前例のない研究は意欲をかき立て、国内の学会での発表やイギリスへの交換留学も経験して視野を広げることができました。

修了後は就職も考えましたが、それ以上に強かったのは、研究を続け成果を出したいという思い。博士課程以降は、高密度のプラズマを均一に広範囲で照射できる大気圧プラズマ装置の開発に取り組んでいます。もともと私がプラズマに惹かれた大きな理由は、応用のために電気や化学・機械・物性の幅広い知識を駆使する点。まさにそれができる研究で、独自の装置を開発し、企業と共同で数年後の半導体製造現場などでの実用化をめざしています。学部時代に進路指導の先生から、その自由度や女性研究者への期待を聞いて惹かれた研究の道で、不可能を可能に変え製品として現実の形にできる、工学研究の喜びを味わっています。


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林 泰広さん

中部電力株式会社
電力ネットワークカンパニー
送変電部 技術戦略・開発グループ

パズルのように小さな積み上げが、やがて大きな変革をもたらす。

将来、何か社会に役立つ仕事ができそうだと選んだ、当時の電気電子情報工学科。学部時代は自分の興味の方向性を見きわめるため、情報や電子系を含むほぼすべての講義に出席し、友人たちと切磋琢磨しながら単位を取得しました。そして選んだ研究室は、強電分野。送電経路を遮断する際に発生するアーク放電を、従来のSF6ガスではなく、環境にやさしいCO2などの混合ガスによって消すという、前例のない基礎技術の研究に取り組みました。なかなか思い通りの結果は出ず、出たとしても本当に正しいかを確認するまで喜べない。それでも、パズルのように地道に積み上げ解を出すことが好きな性格と、先生からの「成果を求めても、すぐには手に入らない」という言葉を励みに、研究を楽しみました。

就職後は変電設備の改修・保守に伴う設計業務を経て、新設備の導入検討業務の担当に。国際規格に準拠した設備を当社に導入することも視野に検討を行っていきます。電力自由化など変革期にあるこの業界で、幅広い技術情報を収集し、成果を急ぐことなく積み上げていき、これからの社会に合う技術によってエネルギー供給のあり方に革新を起こす――名大での6年間にも通じる姿勢で、そんな仕事に挑んでいきます。


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藤井 雅留太さん

信州大学
学術研究院(工学系)
工学部機械システム工学科 助教

研究を一生の仕事に。困難な問題が解決したときの達成感と、研究結果が出たときの喜び。

「修士を出たら、地元の大手企業に就職するのかな」。漠然とそう考えながら過ごしていた学部時代。ところが、研究室配属後に転機が訪れます。研究室で経験したシミュレーションや数値実験をして結果が出る研究のプロセスが、たまらなくおもしろかったのです。この経験が、研究を一生の仕事にしようと決意するきっかけになりました。

博士課程時代は、論文の締切が迫る、問題が解決せず何日も研究室に泊まり込んだことも。ある日の明け方ようやく問題が解決したときの、思わず一人叫ぶほどの感動は忘れられません。

困難な問題を解決し、乗り越えた先にある喜びは、研究職についた今も同じ。研究テーマの「電磁波・光に関する数値シミュレーション」は大学院時代に基礎を築いたもので、機械工学と物理学の中間的な、世界でも比較的ライバルの少ない分野です。当時の指導教員が行っていた研究の一部ではなく、自分だけの新しい研究テーマを、本学・他大学の先生らとの共同研究のなかで進めていける名古屋大学の環境は、今振り返ってもすばらしいもの。これからも研究で成果を出し、世界へと発信していきたいと思っています。


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池田 遼輔さん

三菱電機株式会社
先端技術総合研究所
駆動制御システム技術部 研究員

名大でのめり込んだモノづくりの研究。次は世界初・世界一を。

モノづくりに携わるエンジニアになりたいーーそう考えて、名大の工学部に入学しました。3年次までは、人力飛行機サークルに所属。飛行機を飛ばすだけでなく設計・製作から行うこのサークルの代表として、寝食を忘れてモノづくりに没頭しました。仲間の協力もあり、人力飛行機の大会“鳥人間コンテスト”では、優勝という成果を残すことができました。
4年次から所属したのは、機械をつくるための機械“工作機械”に関する研究室。研究では、まだ誰も果たしていない現象や理論の解明をしなくてはなりません。その過程でいくつも現れる困難な課題を乗り越えるため、日々、実験と解析の繰り返しでした。それでも制約なく自らの自由な発想で進められる楽しさと、成果が出たときの達成感は大きく、気がつけば研究にのめり込んでいました。企業の研究所に所属する研究員となった現在も、工作機械に関する研究を継続しています。大学時代と比べると、研究内容は製品に近いもの。違いはあれど、名大の自由闊達な学風の中でモノづくりや研究に取り組んで培われた知識や能力、発想は、大いに役に立っていると感じます。10年後や100年後の生活をよりよくする、世界初・世界一の技術をつくり出すこと。それが次の目標です。


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伊藤 孝明さん

富士フイルム株式会社
R&D統括本部
メディカルシステム開発センター

“世の中初”に挑む。研究のプロセスと喜びは、仕事でも同じ。

地元の工学部という理由で名古屋大学工学部に入学したものの、学ぶ内容がおもしろいと思えず、名大祭実行委員や短期語学留学に費やした大学生活の前半。3年次には就職活動を始めましたが、これという就職先に出会えませんでした。

転機は4年次の研究室配属。「テーマを自分で選び、まだ世の中で解明されていないことを初めて発見する」研究は、それまでの学びとはまったく違うもの。正解のない問題に対して、仮説を立て実験で検証する試行錯誤の中で、「物理的に何が起きているのだろう?」と考察する楽しさに、修士を終えるまでの3年間、夢中になりました。

開発を担当した、乳がん検査用デジタル・マンモグラフィなどのX線装置では、世界最小の被曝量を実現する新技術を開発し、アメリカの学会で発表もしています。開発過程では未知の問題が数々発生しますが、「物理的に何が起きているか、可能性を考えて仮説を立て、検証する」というプロセスとおもしろさは、大学時代の研究と同じ。この先も世の中にない技術を開発し、新しいコンセプトの製品を創り出すことが、私の目標です。


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内村 星央さん

三菱重工サーマルシステムズ株式会社
空調機技術部
マルチパッケージエアコン設計G

多くの出会いで広がった視野で、モノづくり全体を動かしたい。

ノーベル賞受賞者を多く輩出する研究環境に惹かれて入学した名大に待っていたのは、数多くの出会いでした。原子力発電所の使用済燃料の再処理に伴って発生する高レベル放射性廃液の処分に使う材料の研究では、机上の検討を実験に移すため、何度も先生方の助言を仰ぎ、仲間と議論して、方針を決定。試行錯誤をしながらも、予測した結果が得られる達成感を味わいました。留学生が比較的多い名大では、研究アシスタントを務める経験もしました。英語でディスカッションをしながら実験を進め、想定どおりの結果にならないときには一緒に解決策を模索する中で、コミュニケーション力が高まっていくのを実感。それだけでなく、自分自身の研究と並行して留学生の研究を手伝うためのスケジュール管理能力もつき、大きな成長につながりました。現在、私が携わっているのは、ビルやホテルの各個室を一括管理できるエアコン室外機の開発です。大きすぎず全体を見渡せる規模の製品に、広い裁量を与えられ開発の計画段階から量産まで関われることに、魅力を感じています。ゆくゆくは開発リーダーとして「自分が手掛けた」と言える製品を世に送り出すことが目標。名大で多くの人と出会い、文化の異なる相手とも接して得た広い視野は、大きな力になるはずです。


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三輪 富生さん

名古屋大学
未来材料・システム研究所 准教授

「なんとなく土木」を、研究にのめり込ませた出会い。

理系だから工学部。身近な土木なら後悔しないだろう。そんな理由で進路を決めた、決して真面目とはいえない学生でした。専門科目には興味深いものもありましたが、4年次に選んだ研究は正直つまらなかった。何か見つかるかもと修士に進んだものの、やはり同じ。ついに中退を決意し研究室の教授に打ち明けると、「それならアルバイトとして、この計算をしてくれないか?」と、教授の研究の一部を手伝うことになりました。

交通計画を立案するため人の行動を数理モデル化する、卒業研究とも共通する内容でしたが、ちゃんと取り組んでみるとこれがおもしろい。だれも知らない答が出てくる。数式をアレンジすると答が変わる。気がつけば、自分でも驚くほど研究にのめり込んでいました。クルマで信号待ちする間にも教科書を読むほどです(笑)。

修了後は企業に就職しましたが、人と違った新しい研究を進めたいとの思いが強くなり、博士課程に再入学。現在は准教授として、当時の指導教官である教授の下、国土交通省などのプロジェクトにも携わりながら、交通計画に関する研究を続けています。独自の研究成果を論文として残したい。その思いが私のエネルギーです。


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鵜飼 真貴子さん

名古屋大学
環境学研究科 助教

やりたいことにいつも手が届く、心強い環境の中で。

幼少時代、住宅の解体から新築までの様子を目の当たりにしてモノづくりの楽しさを感じ、将来は建築に関わりたいと思うようになりました。名大入学後に、建築の三大要素である“用・強・美”の概念を初めて学び、「私はこの先、何を研究していきたいのだろう?」と考えたとき、強く惹かれたのが“用”でした。希望どおり配属された環境設備系の研究室では、1年間のスウェーデンへの交換留学や学会での発表など、やってみたいと思ったことに絶えずチャレンジ。それができる心強い環境の中で、少しの疑問も深く追究し、解決できたときの何にも代えがたい喜びを味わいました。そして、もっと研究を続けたいと、博士課程後期への進学を決意しました。
助教となった現在は、学生時代から研究している太陽熱をはじめとする再生可能エネルギーの利用に加え、エネルギーマネジメントにおけるAIやIoTの活用、ZEBの国際比較などがテーマ。世界各地での記録的な寒波や酷暑など、屋外環境が日々変化する中で、エネルギー消費の多くを占める建物が果たす責任は大きいと感じています。これからの屋外環境や社会の変化に対応する建築環境設備のあり方を、地道に研究していきたい。そのための新たなチャレンジは、今も続いています。
※年間のエネルギー収支がゼロとなる建物


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学び
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Message

工学部長・工学研究科長
水谷 法美

「工学」は、科学を人や社会に役立つ技術へと展開する総合的な学問分野です。その対象は、化学、物理、材料、電気、機械、エネルギー、建築、土木など多岐にわたっています。
産業革命以降、機械化と共にものづくりはめざましい進展を遂げ、それにともなって人々の生活も大きく様変わりしました。一方、現在に至るまでに地球環境問題や化石燃料や資源の大量消費と枯渇などの問題もクローズアップされています。また、工学の担う範囲は、従来の分野だけでなく、医療や創薬、エネルギーや環境、あるいは防災など、大きく広がってきています。最近では、人工知能の急速な高度化が、近い将来、人々の生活や社会構造を大きく変えようともしています。
このような情勢の中で、より高いレベルで「工学」を修め、世界のものづくりのリーダーとして皆さんに活躍していただきたいと願っています。
名古屋大学は門のない開かれたキャンパスが特徴です。緑あふれるキャンパスで、私たちと共に「工学」を学び、直面する課題に果敢に挑戦し、工学分野で「勇気ある知識人」として、赤﨑先生や天野先生に続きましょう。
すばらしい研究成果を皆さんと共に世界に向けて発信できることを楽しみにしています。

ノーベル賞受賞者を生み出した自由闊達な学風の下で実施する
Basics ‒ Specialization - Innovation 教育

より良い工学系人材・勇気ある知識人の育成

世界を代表するものづくり産業の集積地である中部地区の中心的研究大学として、より良い工学系人材育成の期待に応えるため、工学基礎教育を重視すると共に、専門性と総合性を備えた人材育成を目的とした教育組織とカリキュラムを再編成し、学部及び大学院を一体で2017年に改組しました。
グローバリゼーションが加速する国際情勢、新しい価値創造や技術革新をもたらす人材育成の急務化、年齢分布が逆ピラミッド型に変わってゆく状況における社会的なニーズなどの工学分野をめぐる情勢に対応します。
理工系人材育成の必要性を踏まえ、工学全般の分野を網羅した学科・専攻とし、博士人材の育成に繋げます。
育成する人材像(教育目標)

工学部

工学を拓くための学力および資質・能力を備え、
科学に対する強い興味をもとに社会に貢献する人を育てます。

大学院工学研究科

次世代の「工学・技術」を創造・牽引する能力を有し、
(豊かな)専門性と同時に(高度な)総合性と、
(広い)国際的な視野を併せもった、研究者・技術者を育てます。
※( )は、後期課程に付加

学科紹介

化学生命工学科
物理工学科
マテリアル工学科
電気電子情報工学科
機械・航空宇宙工学科
エネルギー理工学科
環境土木・建築学科

CAMPUS GALLERY

 

ナショナル・イノベーション・コンプレックス施設(NIC)

NICは、「地域結集」と「グローバル展開」を推進する新しい時代の産学官連携研究開発拠点です。産学官メンバー及び市民が一体となり、我が国の未来を支え、かつ、世界の生活に新しい価値をもたらすイノベーション実現のための「場」と「しくみ」を提供します。
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工学研究科中央棟(ES総合館)

全館LED照明や自然換気システムをはじめとした、環境負荷低減のための多くの取り組みが実現されている、工学研究科の中核施設のひとつ。建築系の研究室、講義室やホール、工学部中央図書室などがあります。


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工学中央図書室(ES総合館1F)

工学部の図書室は、中央図書室および4つの専攻図書室があります。専門書を中心に約20万冊の図書・雑誌を所蔵しています。
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レストラン シェ ジロー(ES総合館1F)

知る人ぞ知る、本格的フレンチレストラン。光あふれる店内で、季節の素材を使った本格的なフレンチを気軽に楽しめます。学生はもちろん学外者の利用もOKです。
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ダイニングフォレスト/Booksフロンテ/Cafeフロンテ

東エリアにあり、食堂・ブックショップ・カフェからなる、生協の複合施設。工学・理学・農学系の学生で賑わっています。


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赤﨑記念研究館

光の3原色のうち最も難しいとされた青色のLEDを開発したことで世界的に知られる赤﨑勇特別教授の研究業績を公開した施設。
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北部厚生会館(生協)

学生食堂では定食・麺類からサラダバーまであり、購買部では食品はもちろんPCから名大グッズまで多くの商品を取り扱っています。留学ツアーや自動車学校の申込みも割引特典あります。
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減災連携研究センター(減災館)

南海トラフ巨大地震の危険性が指摘される東海地方で、地域の防災・減災機能を強化するための施設です。防災・減災に取り組む人づくりや産官学民の連携を進めるため、研究者はもちろん、市民、行政、企業が集う拠点とし、2014年度から本格稼働しました。
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銀行ATM

三菱UFJ銀行のATMコーナーを開設。生協やコンビニ内にも設置されています。


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郵便局

正式名称は「名古屋大学内郵便局」。ATMもあれば貯金や保険の窓口もちゃんとあります。
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豊田講堂

1960年トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)により寄贈された講堂。1600人を収容でき、名古屋大学のシンボルとして、入学式など多くのイベントに活用されています。
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附属図書館

附属図書館は、中央図書館および各学部・研究所等に置かれた部局図書室から成っています。蔵書数は全学で332万冊。館内は、グループでの共同学習、プレゼンの練習などができるラーニング・コモンズ、衛星放送が視聴できるAVブースなどの施設も充実しています。
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スターバックスカフェ(附属図書館2F)

図書館の開館日に合わせ、平日は夜9時まで開いてるし、土日も営業(不定休)。いつも学生や教職員で賑わっています。
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IB電子情報館

地下鉄名城線「名古屋大学」駅3番出入口から直結しています。講義室やホールのほか、電気工学専攻、電子工学専攻、情報・通信工学専攻の研究・実験室などがあり、カフェやコンビニもあります。


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IBカフェ

IB館南館1Fにあるカフェ。クレープが人気で、毎月一週間「メルマガ登録」でクレープがお値打ちプライスになるという小ネタもあり。
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ファミリーマート

IB館B1を含め、学内に2店舗あり。7:00から23:00まで営業していますよ。


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