〈2026年7月更新〉
名古屋大学 赤崎 勇 特別教授(故人)と天野 浩 特別教授らが研究開発し2014年にノーベル物理学賞を受賞した青色発光ダイオード(青色LED)が、IEEE(Institute of
Electrical and Electronics
Engineers)よりIEEEマイルストーンに認定され、これを記念して、2026年3月23日に記念式典が開催されました。IEEEマイルストーンは、電気・電子の分野において達成された画期的なイノベーションの中で開発から少なくとも25年以上経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定する制度としてIEEE創立100周年を翌年に控えた1983年に創設されたものです。古くは、ベンジャミン・フランクリンの業績やボルタの電池の発明、エジソンの研究、電子計算機などがあり、日本では、平賀源内のエレキテル(摩擦型静電気発生装置)を始め、東海道新幹線、電子式水晶腕時計、電子式卓上計算機の先駆的事業、家庭用ビデオVHSの開発、QRコード、トヨタ
プリウスなどが認定されています。
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キラル鉄(III)光触媒のデザインと応用
持続可能な社会の実現に向けて、豊富な資源を活かした有機合成法の開発が求められています。触媒有機合成学研究グループでは、普遍元素である鉄とクリーンなエネルギーである光を掛け合わせた不斉合成法の開発において世界をリードしています。本合成法の要となるキラル鉄(III)光触媒は2023年に同グループから初めて報告された触媒です。2026年には、触媒のデザインを改良することで高価なキラル配位子の使用量を先行研究の1/3に削減し、呼吸バースト阻害活性を示す天然物(+)-Heitziamide
Aの不斉全合成にも成功しています。
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酸化物粒界偏析に対する解析基盤
現代の科学・工学技術に不可欠である酸化物材料は、通常は結晶方位の異なる多数の結晶粒からなる多結晶であるため、結晶粒どうしの界面「粒界」が存在します。そして、様々な不純物が粒界に濃化する粒界偏析は、粒界からナノメートル範囲内の原子配列の変化を通じて、材料特性を決定づけます。物質科学専攻材料設計工学研究グループは、原子・電子レベルの理論計算と機械学習に基づく解析基盤を確立することで、粒界偏析による材料特性変化の起源を解明し、その理解に根差した原子レベル制御指針を確立します。
多元素融合による材料創出の概念図
化学反応は、エンタルピーとエントロピーから成るギブス自由エネルギーが低下する方向に進みます。従来は化学結合形成によるエンタルピー利得に着目してきましたが、近年は5元素以上を含みエントロピー項で安定化する「ハイエントロピー化合物」が注目されています。応用物理学専攻磁性材料工学研究グループでは、この安定化効果を活用し新規超伝導体を合成、転移温度や磁場耐性の向上も確認しました。本手法は物質合成の幅を広げるだけでなく、新機能創出につながる有力な材料開発手法として期待されています。
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開発した触媒はアンモニア合成速度が高い
肥料などに欠かせないアンモニアは、現在は高温・高圧でつくるため多くのエネルギーを使います。化学システム工学専攻
永岡教授らは、コバルト(Co)にバリウム(Ba)を組み合わせて炭素に載せた非貴金属触媒を開発し、500℃未満の活性化処理でも高い反応性を示すことを確認しました。解析から、Baが酸化物(BaO)としてCoナノ粒子の周囲に配置されることが高活性の鍵であること、計算科学でもBaOが安定する仕組みを示しました。持続可能なアンモニア合成技術への展開が期待されます。
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図1 GaNとAlNをナノメートル厚で精密積層した構造
図2 RTDによる高周波発振スペクトルの例
超高速通信「6G」や、服の上から荷物を確認する「透過撮影」、さらには呼気で病気を見つける「バイオセンシング」などの実現には、未開拓の電波であるテラヘルツ波を出す小型光源が必要です。我々は、青色LEDの材料(GaN)をナノサイズで精密に重ねた「共鳴トンネルダイオード」を研究しています(図1)。素子内の電子を量子力学的に制御して超高速に振動させ、テラヘルツ波を発生させます。既に発振スペクトルの観測に成功しており(図2)、将来の通信や検査技術の核となるデバイスへの活用を目指しています。
ハイドロゲル臓器モデルの3Dプリンタによる直接造形
生体軟組織の力学特性・触感・電気的特性を高精度に再現可能なハイドロゲル材料を用い、3Dプリンタによる臓器モデルの直接造形技術の確立を目指して研究を行っています。マイクロ・ナノ機械理工学を基盤として、材料組成および光硬化条件の最適化を進めることで、血管から筋層に至る多様な力学特性の再現が可能となり、従来のシリコーンモデルを凌駕する臨床教育・医療機器評価用プラットフォームを構築します。さらに、導電性の付与や駆動機構の統合化により、蠕動運動などの術中環境の模擬を高度化します。これらの成果を展示会出展などのアウトリート活動や大学発スタートアップを通じて量産化・社会実装への展開を試みており、医療教育と医療機器産業を結ぶ革新的基盤技術として発展させていきます。
ハイドロゲル臓器モデルの3Dプリンタによる直接造形
情報通信の大容量化や生成AIの普及によるエネルギー消費の急増を抑制するために、従来の半導体集積回路から光集積回路への転換が期待されています。光集積回路の主要素子である超小型光変調器の実現に向けて、電圧印加によって屈折率が変化する電気光学材料の薄膜の研究開発に取り組んでいます。
光合成を模倣し人工光合成触媒を創製する
太陽光を利用し人工光合成(CO2の資源化・水からの水素製造)を促進する光触媒を創製し、環境・エネルギー問題の解決と持続可能社会の実現を目指しています。目的とする触媒を合理的に設計するために、シンクロトロン分光と電子分光を融合させた最先端ナノ分析法や、触媒反応その場分析法の開発にも取り組んでいます。
豊田講堂上部より ComoNe 屋上をみる
建築系教員を中心とする施設整備推進室が1990年代から描いてきた構想が、 2026年夏に「Common Nexus(ComoNe)」として結実しました。地下鉄直結の交流拠点と屋上緑地を持つ本施設は、教員や学生による検討とワークショップ等の蓄積を経て、小堀哲夫建築設計事務所の提案により具現化したものです。長年の夢が形となったこの建築が、大学構成員や地域にいっそう愛され、共に育まれていく場となることを心から願っています。
ジョイント・スーパービジョンプログラムの協定締結に関する署名式
名古屋大学大学院工学研究科は、台湾を代表するトップクラスの国立清華大学と大学間における先端工学分野の人材育成および研究交流を推進するため、「ジョイント・スーパービジョンプログラム」の協定を2026年3月3日に締結しました。「ジョイント・スーパービジョンプログラム」は、本学と連携する海外の大学間において、各大学の博士課程等の学生に対し、各大学の教員が研究指導を行い、学生が主大学の修了要件を満たした際に、主大学が学位を授与する国際共同教育プログラムで、名古屋大学大学院工学研究科からは化学生命工学系3専攻、電気電子情報工学系3専攻、機械システム工学専攻及び航空宇宙工学専攻が本プログラムに参画しています。両大学は2008年の学術協定締結以来、協力関係を螺旋的に発展させながら研究・教育連携を深化させ、その長年の積み重ねが、今回の「ジョイント・スーパービジョンプログラム」創設という新たな段階へと結実いたしました。
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「工学」は、科学を人や社会に役立つ技術へと展開する総合的な学問分野です。その対象は、化学、物理、材料、電気、機械、エネルギー、建築、土木など多岐にわたっています。
産業革命以降、機械化と共にものづくりはめざましい進展を遂げ、それにともなって人々の生活も大きく様変わりしました。一方、現在に至るまでに地球環境問題や化石燃料や資源の大量消費と枯渇などの問題もクローズアップされています。また、工学の担う範囲は、従来の分野だけでなく、医療や創薬、エネルギーや環境、あるいは防災など、大きく広がってきています。最近では、人工知能の急速な高度化が、近い将来、人々の生活や社会構造を大きく変えようともしています。
このような情勢の中で、より高いレベルで「工学」を修め、世界のものづくりのリーダーとして皆さんに活躍していただきたいと願っています。
名古屋大学は門のない開かれたキャンパスが特徴です。緑あふれるキャンパスで、私たちと共に「工学」を学び、直面する課題に果敢に挑戦し、工学分野で「勇気ある知識人」として、赤﨑先生や天野先生に続きましょう。
すばらしい研究成果を皆さんと共に世界に向けて発信できることを楽しみにしています。
名古屋大学工学部長・工学研究科長
ノーベル賞受賞者を生み出した自由闊達な学風の下で実施する
Basics ‒ Specialization - Innovation 教育
より良い工学系人材・勇気ある知識人の育成
工学部
工学を拓くための学力および資質・能力を備え、
科学に対する強い興味をもとに社会に貢献する人を育てます。
大学院工学研究科
次世代の「工学・技術」を創造・牽引する能力を有し、
(豊かな)専門性と同時に(高度な)総合性と、
(広い)国際的な視野を併せもった、研究者・技術者を育てます。
※( )は、後期課程に付加
私は大学4年生のとき、ナノスケールの制御により発光特性を発現する量子ドットという材料に惹かれて研究室を選択しました。その理由は「ナノ粒子が光る!面白そう!」という単純なものでしたが、気づけば6年もこの材料と向き合っていました。研究室に入ったばかりの頃は、量子ドットの合成と特性評価を楽しんでいた一方で、知識も考察も足りず研究の基礎がなっていなかったために、報告会の度に指導教員から指導を受けていました。自分の実力不足を悔しく思い、多くの時間を割いて自分のテーマと向き合ったのは今でもよく覚えています。博士前期課程1年で企業研究者を志望し就職活動をしましたが、企業で活躍するために研究の経験をもっと積みたい、との思いから博士後期課程に進学しました。幸いにも、教員の皆様の熱心なご指導・サポートと、不自由無く自分のアイデアを試せる環境、そして互いに支え合い高め合える仲間に恵まれ、研究資金の獲得や国際学会での発表などといった貴重な経験をして成長することができたと感じています。研究生活を通じて得た知識、考え方、そしてメンタリティは今の会社での仕事で、またプライベートの趣味においても大いに活きています。大学には、社会に出てからでは得ることの難しい貴重な経験・成長の機会がたくさん転がっています。サイエンスとの交流を楽しむのみならず、人との出会いや珍しい経験をする機会を大事にして、自分を深めていっていただければと思います。
バレーボール部時代の七大戦の一幕。どの大学もこの大会に込める思いは熱く、試合も飲み会も毎年大いに盛り上がっていました。
高校生の頃、生活の中で役に立つ化学に触れたとき、「すごい!もっと知りたい」と心が動き、私は化学生命工学科を選びました。大学では高分子ゲルと呼ばれる柔らかい材料の合成研究に取り組みました。高分子ゲルはソフトコンタクトレンズや紙おむつなどに使われる、とても身近な素材です。研究室では、このゲルの網目構造を工夫してより高機能なゲルを生み出すことを目指していました。何度も試行錯誤を繰り返しましたが、初めて自分の手で新しいゲルをつくり出せたときの感動は、今でも鮮明に覚えています。完成したゲルは、共同研究先である北海道の研究室で測定しました。現地の先生方のサポートを受けながら、専門的な知識だけでなく、研究を通じてつながりが広がっていく楽しさも実感しました。現在は豊田中央研究所で、高機能な高分子材料の研究に携わっています。ものづくりの現場に近い環境で、自分の開発した材料が社会のどこかとつながっていく可能性を想像しながら研究できる点に、大きなやりがいを感じています。大学時代に培った専門性を活かしつつ、多くの専門家と協力しながら研究を進めており、その中で得られる視点の違いや考え方の広がりが、自分の成長につながっています。名古屋大学では、研究分野の最前線で活躍される先生方、そして互いに励まし合える仲間との出会いがありました。それらは私にとって大切な財産です。皆さんも、名古屋大学で多くの経験を積み、自分の可能性を伸ばし、将来社会で活躍していってください。
100人越えの合唱サークルで、全国大会に出場しました。かけがえのない仲間と出会えました。
私は現在、東京大学で教員として物性物理学の研究に取り組んでいます。研究者という職業は、とても魅力的なものです。大学3年生頃までは、主に座学の授業で、あらかじめ答えの用意された問題に向き合います。しかし、研究の世界は大きく異なります。そこでは、世の中の誰も答えを知らない問題に挑むだけでなく、「何を問題として設定するか」そのものを自分で考えなければなりません。思い通りにいかないことがほとんどの世界ですが、それでも新しい現象を発見したときや、これまで誰もできなかったことを実現できたときには、他では得られない大きな感動があります。私自身、名古屋大学の大学院生だった頃にその入り口に触れた経験が、現在の研究活動につながっています。最近では、研究の現場においても生成AIの活用が急速に進んでおり、皆さんが社会に出る頃には、今の常識が大きく変わっているかもしれません。こうした変化の大きな時代においてこそ、自由な発想を大切にしながら、主体的に学び、様々な課題に取り組むことが重要になります。名古屋大学は教員との距離が近く、そうした挑戦をするための環境が整っていると思います。ぜひ、この環境の中で伸び伸びと学び、自分自身の可能性を広げていってください。

名古屋大学学術奨励賞の授与式(博士課程3年時)
大学院では材料の原子配列に関する研究を行っていました。原子レベルの非常に小さなスケールの乱れがマクロな現象に影響を与えることに面白さを感じて所属を決めたのですが、研究の道は平坦ではなく、得られた結果をどのように解釈すべきか考えることには苦戦しました。複数の仮説を立てた上でシミュレーションを行い、先生と何度も議論を重ねたことで、解釈から結論への道筋を立てる力が身についていきました。この研究では、原子配列のシミュレーションに機械学習を用いていました。従来は時間を要するために行えなかったシミュレーションが、機械学習により計算時間が大幅に短縮されて実施可能になるという結果を目の当たりにしました。これが転機となり、それまで不可能だったことも実現させる力を持つ情報学的手法に心を引かれ、情報技術を活用した研究に携わりつつ化学メーカーで大学院の学びを生かしたいと考えて住友化学株式会社への就職を決めました。現在の仕事は、農薬やICT材料など社内の幅広い研究開発課題をDXで解決することです。研究開発が進むことで新しい素材を世の中に提供でき、会社にとって大きな利益になることにもやりがいを感じます。業務で役に立っているのは、大学院で培った「粘り強く考える力」。自分なりに考えを巡らせ、チームメンバーや上司と相談しながら進めることを大切にしています。今後も経験を積んで効果的なDX推進を行い、研究開発のさらなる加速を目指します。

競技かるたサークルの大会にて後輩と撮影。勉強や研究だけでなく、かるたの練習にも真剣に取り組みました。
「大学の研究者」の道を視野に入れ始めたのは、4年生のときの卒業研究がきっかけでした。水素のみを透過する金属の膜に関する研究だったのですが、その特性を記述する方程式として従来とは異なる式を使うと、綺麗に結果を整理できることに気づいたのです。これによってアカデミックなことを突き詰める楽しさを覚えました。とはいえ、昨今ではほとんどの学生が進学しない博士課程に進む際は、将来的な不安から非常に悩みました。しかし、就職活動で大学での研究以上に自分の興味を引くものがなかったことから、進学を決心しました。運よく論文を出しやすい分野だったこともあり、博士号を1.5年ほど短縮で取得することができて、今のポストを得ることができました。
現在は学生の頃とは異なる研究分野で、研究者としての見聞を広げつつ自分の分野を確立しようとしています。主に、機械学習などを活用して、材料を作るための複雑なプロセスの最適化や複雑な構造を持つ材料の特性予測に取り組んでいます。大学は、世の中の技術の基盤となる学理を探求できる場であり、常に新しいことに触れていられるので、今はこの道に進んで良かったと思っています。ぜひ皆さんも周囲に流されずに自分の意志で興味ある道へチャレンジしてください!


とことんものづくりがしたい、そんな想いで選んだ工学部。学部時代はロケットサークルに所属してロケット開発に没頭し、4年次からは鉄に関する研究室に所属していました。また同時に、新しいものを創る楽しさをたくさんの人に届けたいと思い修士2年の時に株式会社エドギフトという教育系の会社を立ち上げました。エドギフトでは、「幼少期から新しいモノを生み出す楽しさに触れてほしい」という想いで子供向けの組み立ておもちゃTEGUMII(テグミー)の開発販売を行なっています。
修了後は、エドギフトを続けるとともに、株式会社リクルートでサービス開発に関わる仕事をしており、兼業の体制をとっています。大きな組織に所属することで得られる経験や出会いがたくさんあり刺激的な毎日を送っています。どちらの会社の仕事も大学の研究分野とは異なりますが、現在の私の挑戦の糧となっているのはサークルや研究を通して「失敗しながらも試行錯誤を繰り返す、新しいことに触れて考え抜くことで新たな発想につながる」楽しさを学んだことです。目の前のことに熱中し楽しむことで、それまでの自分では考えられなかった世界が広がりました。大学は学業だけではない面白いことがたくさんあります。ぜひ多くの人との出会いや経験を楽しんでください!


小学生の図画工作の授業で、「将来の自分」というテーマの作品を作ったことがあり、私は迷わず、研究者になった自分の姿を粘土で表現しました。当時から漠然と「何かを発見したり、新しいものを生み出したりする人になりたい」と思っていました。あれから十数年、名古屋大学に進学し、今は大学教員として研究に打ち込む毎日を送っています。私が取り組んでいるのは、テラヘルツ波と呼ばれる電磁波の研究です。これは電波と光のちょうど中間に位置する、まだ十分に活用されていない周波数帯で、「人類未踏の電磁周波数域」とも言われています。研究室を選ぶ際にこの言葉を耳にし、強く心を動かされたのを今でも覚えています。「誰も使いこなしていない電磁波を、自分の手で制御し、実用化できるようにしたい」―そう思ってこの分野に飛び込み、早くも10年以上が経過しました。途中カナダでの研究生活や多くの国際会議での発表も経験し、今では国内外の研究者と協力しながら、その可能性を少しずつ形にしつつあります。夢を持つことは、進路を考えるうえで大きな力になります。もし、研究者やエンジニア、プログラマーといった理系の世界に興味があるなら、名古屋大学工学部は、最先端の設備と優れた教員がそろった、挑戦に最適な場所です。ぜひ皆さんと、キャンパスでお会いできる日を楽しみにしています。
大学院生のときカナダへ留学。現地の先生や学生とハキングに行った際の写真です。
子供の頃からインターネットが好きで、プログラミングにも少し興味があったので、電気電子・情報工学科、そして計算理工学専攻を選択しました。講義を受けるまではHTMLを少し触ったことがある程度でプログラムを組むことは全くできませんでしたが、課題をこなしたり、周りのメンバーに教えてもらったりしながらコードが書けるようになり、さらに研究室ではプログラミングでデータを分析して、どう活かすかを考える力が身につきました。研究室ではエンジニアになる方がほとんどでしたが、絵を描くのが好きだったこともあり、見せ方の部分にも携われる仕事がしたいと思い、デザイナーを選択しました。Illustratorも使ったことのないままデザイナーとして働けるのかという不安はありましたが、研修中にツールの基礎を学び、今ではレビューも行えるようになりました。また、Webページの制作では、数値を根拠に構成を考えることも多いため、データ分析ができるデザイナーというのは強みになったなと感じています。どんな経験や知識も、考え方次第で活かせるものに変わると思います。やって損ということはあまりないので、興味のあることにはどんどんチャレンジしてみてください!

ソフトボール部の大会での写真です。今も社会人チームで続けています。
中学生の頃から自動車に興味を持ち、将来は自動車関連の職に就くことを夢見ていました。大学では自動車工学を専攻し、さらに世界に通用する知識を得るために、留学を決意しました。日本の自動車産業は競争力が高く、名古屋大学は自動車工学の分野で高い研究力を持っているため、名古屋大学を選択しました。修士・博士課程の5年間の在学中に数多くのプロジェクトに参加し、国内外の学会に発表しました。研究室の学術的雰囲気と互いを尊重し合う仲間が、研究への情熱を支えてくれました。現在は自動車の安全に関する研究に取り組んでいます。事故に至るような緊急シナリオにおけるドライバや自転車、歩行者などの反応や行動を明らかにし、事故要因を解明して事故防止に効果的な運転支援を実現することを目指しています。人の反応が法則を持っていることに驚かされることもしばしばです。研究結果を事故の減少につなげ、一人でも多くの交通事故被害者を助けられたらと考えています。研究を重ねる中で、自身の夢がより国際的にも分野的にも広い世界へと繋がることを実感しています。さらに、夢を追い求め、今後も研究を通して自動車の安全に貢献することを願っています。
2018年名古屋大学自動車工学サマープログラム(NUSIP)に参加し、海外の学生と交流を楽しみました。
漠然と宇宙の勉強がしたいと選んだ機械航空工学科。振り返れば、宇宙開発サークルの立ち上げ、アメリカへの研究留学など、多くの経験をしました。
数学が機械の動きに直結する面白さに魅了され、研究室は制御研を選択。最初のテーマは「倒立振子」と呼ばれるロケットに見立てた一本の棒を制御することでした。しかし当初の実験は失敗の連続。理論的には合っているはず…と暗い顔で机上の数式を見つめる私に、同期から「今から一緒に100回実験するぞ」と提案され、なんとその日に実験は成功。結果を解析すると、気にも留めていなかったセンサーに問題があったことが発覚。なるほど、こういう研究の進め方もあるのか、と自分の考え方が変わった瞬間でした。名大の生活はこのような「自分の知らない世界を見せてくれる人たちとの出会い」との連続でした。
現在はベンチャー企業で自動運転の開発を行っています。複雑な道路環境でどのように車両を制御するか。自動運転は様々な技術の集約であり、制御理論や数理最適化、機械学習、ソフトウェア工学などと言った幅広い分野の知識が必要となります。数式やプログラムと対峙する一方で、困ったらとりあえず実験してみることも。ライバルはGoogleやTeslaといった大企業。技術者として世界の最前線で戦うことができる環境を楽しんでいます。
名大を選んだ動機は『核融合炉開発に携わりたい』でした。講義を聞くうちに核分裂に興味が移り、『原子炉の中を見てみたい』という興味から研究室を選びました。
就職か博士課程進学かは悩みましたが、『今の研究が面白いので突き詰めたい』という真面目な思いと、『スイスで開催される国際会議に出たい』という俗物的な思いから進学を決めました。このように私は今まで自分の直感を信じて進路を選んできました。福島第一原子力発電所事故など、自分の価値観が揺らぐこともありましたが、『原子力は日本のエネルギー源として重要』という信念を胸に研究開発を進めています。
私は現在、基礎的な物性データである核データ評価と、被ばく量評価や原子炉設計等の解析コードを繋ぐ核データ処理の高度化に取り組んでいます。世界的にもこの分野の研究者は少なく、日本では私一人です。最初は専門外で戸惑うことも多かったのですが、大学で学んだ『面白そうなこと』を見つけてトコトン追及するという教えが、今の研究を支えてくれています。幸いにも名大には学生のやりたいにトコトン付き合ってくれる先生が大勢います。是非とも自分の直感を信じて、自分の道を突き進んでください!!


学生時代に発生した東日本大震災を契機に、私は原子力分野に興味を持ち、原子力施設の安全性向上、原子力施設の安全規制、核融合発電の開発などに関わりたいと考えました。進学先を考える時期に、私の学びたい学術分野が詰まった「エネルギー理工学科」が新設されることを知り名古屋大学を選びました。名大に入学してからは、原子炉で発生する中性子の挙動を計算する「原子炉物理学」に興味を持ちました。第4学年への進級時には原子炉物理学を担当する教授の研究室に進み、原子炉の数値計算を高精度化する手法の開発に取り組みました。大学院では研究だけでなく人材育成プログラムが充実しており、実機原子炉での実験や炉心設計・事故解析などに関する貴重な経験を得ることができました。現在は原子力発電所で重大事故等が発生した場合の安全対策を検討し、その対策の有効性を規制機関に説明する仕事をしています。定量的に安全性を示すには、原子核レベルのミクロな視点から、気象レベルのマクロな視点にわたる幅広い工学の知識が必要となるため、名大で学んだ知識や経験を存分に活かしています。この先も安全を確保していくためには、一人でも多くの優秀な技術者が必要です。名大に入って「勇気ある知識人」として成長した皆さんと、同じ業界で一緒に働けることを楽しみにしています。
在学時は山歩きサークルに所属し、今も学生時代の友人と山歩きしています。
私が小学生のときに京都議定書が採択されるなど地球温暖化問題が大きく取り上げられ始めました。当初は環境問題に取り組みたいと考えて、名古屋大学工学部社会環境工学科(現:環境土木・建築学科)に入学しました。学部2年次に社会資本工学コース(現:環境土木工学プログラム)を選択後は、基礎を重んじる名大土木の講義のおかげで、構造・水工・地盤・計画・環境系と多岐にわたる土木工学のどの分野にも興味を持ち始めました。学部4年次に地盤系の研究室に入り、博士後期課程を経て、現在に至ります。土木工学の中には皆さんの興味を引く分野があると思います。私のように興味の幅が広がるかもしれません。自然を相手にする面白さ・難しさがあり、研究してもしきれないと感じる毎日です。現在は、降雨時の自然斜面や盛土の崩壊に関する研究に取り組み、熱海土石流災害における盛土の崩壊メカニズム解明の一端を担いました。直接的に社会に貢献するため、大きなやりがいを感じるとともに、災害時には無力さを痛感することも多いです。当初は興味がなかったことでも、いざ真剣に取り組んでみると面白かった、ということはあると思います。勉学、部活動・サークル活動など、さまざまなことに一生懸命取り組んで、自分の世界を広げていってください。


修士課程2年生のときの研究室の集合写真。大所帯のためゼミや懇親会はいつも大盛り上がり。私はノリが学生です!
小さいときから積み木やダンボールで建物の模型をつくるのが好きだったので、中国の大学で建築学を専攻し、建築設計を学びました。学部の近代建築史の授業をきっかけに、丹下健三や谷口吉生、安藤忠雄などの日本建築家に憧れ、日本に留学することを決めました。学部のとき、設計で最も重視したことは見た目の格好いい建築を作ることでした。しかし、来日してさまざまな建築と場所を訪れる中、「人」を中心とした空間の在り方を考えるようになり、物理的な形態だけではなく、人々の豊な暮らしを支える建築を作りたいと思いました。その思いをもって、卒業後は組織設計事務所に就職し、住宅や商業施設、公共建築などの幅広い設計業務に関わり、図面上でラインを引く段階からそれを物理的に実現させる全過程を経験しました。一方で、設計者として、各プロジェクトに求められる物理的な建築物を実現するだけではなく、建物の使われ方や提供プログラムまで踏み込んだ提案もしたいと思いました。つまり、「どのように」ではなく、「何のための」建築を作るかを提案したいと思い、今は大学の研究者として公共建築の再編について研究しています。設計や研究活動など、一つに限られることなく、これからも自分の可能性に挑みながら、より良い建築を提案して行きます。


ロンドンで住民が運営する図書館を視察しました。
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