わたしの6年間
原子力の専門知識を、安全のために。
興味と思いは、より深く、強く。
松下 柾輝
山本研究室(総合エネルギー工学専攻)所属
学部1~3年次/高校時代、福島原発の事故に関する情報が入り乱れる中、「問題を正しく知りたい!」と原子力に関心を持ちました。入学後は1年次から毎年、学科や電力会社が主催する原子力発電所の見学に参加。最初は教科書に載っている原子炉容器や配管を実際に見て、そのスケールに圧倒されるばかりだったのが、回を重ねるごとに何重もの安全対策など新たな気づきや学びがあり、ますます関心が深まっていきました。そして、事故防止につながる研究がしたいと思うようになったのです。

数式を使い事故を予測する研究には、原発の見学のほか、学科主催の他大学の原子炉実習に参加した経験も役立てています。

学部時代から学会に参加するチャンスをもらいました。メキシコなど海外へも。日本原子力学会では奨励賞を受賞しました。
学部4年次~大学院/研究内容は、原子炉の安全性評価をするための方法の開発です。安全性評価は、原子炉内部の状態を数式モデルで表し、事故が起きた場合と同様のふるまいをさせ、事故の進展結果を予測して行います。原子炉の運転には、冷却水や核燃料の量、発熱量といったさまざまな要素が絡むため、非常に複雑なうえ常に変化し、計算には膨大な時間が必要。そこで、精度を落とさず高速で計算できる数式モデルを模索しています。研究室の先生は、学界で知られる研究者であり、学生のやりたいことを後押ししてくれる方。そんな指導者の下で、関心のある分野を思う存分、探求できました。卒業後はこの学びと経験を電力会社で生かし、安全で安定的な電力供給に貢献したいと思っています。