わたしの6年間
常識破りの新材料の挙動に迫る研究は、
時間を忘れて没頭できる魅力がある。
野々垣 翔真
奥村研究室(機械システム工学専攻)所属
学部1~3年次/物体の運動を数式から予測できる物理が好きで、ものづくりにも関心があり、工学部のこの学科を選びました。学生生活前半に熱中したのは、よさこいサークルの活動。一からテーマを決めて曲や衣裳、振り付けを考え、みんなで練習しながらブラッシュアップして演目を作り上げて、舞台で披露する達成感を味わいました。幅広い学びの中で特に関心を持ったのは、3年次の授業「有限要素法」です。物体をモデル化して細かいメッシュに分割し計算する手法で、ある1点に力を加えた場合にどう変形するかを予測できる楽しさは、好きだった物理に通じていました。

メッシュに分割し計算する有限要素法で解析。円筒を押し込むと左右で変形量が異なる物理メカニズムを解明しました。

大学院進学後、後輩たちの誘いで祭りに参加。
初めてコロナ禍の制約なく、自分たちが作った演目を披露できました。
学部4年次~大学院/有限要素法を使える研究室を選び、大学院では「力学極性ゲル」の挙動を研究。ゲル状の物質に厚さ1nm程度のシートを何枚も斜めに埋め込んだこの新材 料は、ある方向の力を加えたときだけ大きく変形するユニークな力学応答を示し、円柱を横倒しで押し込むと非対称に変形します。その原因はナノシートがたわむ「座屈」にあると解明しました。先生の指示通りではなく学生が主体的に研究を進める名大で、思考に没頭する研究の魅力を知って博士後期課程へ。ストーリーやメッセージ性を意識して表現したサークルでの経験が、研究発表にも活きています。