名古屋大学工学部 受験生応援スペシャルサイト

物理工学科

スピン偏極パルス透過電子顕微鏡実験室 - Spherical Image - RICOH THETA

スピン偏極パルス透過電子顕微鏡実験室

何が学べるか

物理に立脚した工学の創造

物理工学と聞くと皆さんはどのような学問を想像されるでしょうか?名前の上では物理学と工学が融合した学問と思えますが、それほど単純ではありません。現代において、科学と技術は不可分の関係にあります。科学上の発見がただちに技術へ応用され、工業技術への目的を持った研究が科学の発展に重要な貢献をしています。このような科学技術に応えるために、1962年に応用物理学分野の前身である応用物理学専攻が名古屋大学に設けられました。さらに2017年4月の工学部改組により、新しい物理工学科が生まれました。物理工学科では物理学と数理科学を基盤とした「基礎と応用にまたがる学問分野」を対象とした教育・研究を行います。

物理工学科の概念図

学びの環境

物理の基礎と先端技術が身につく

物理学は、数学と並び、科学と技術の基礎となっています。本学科では数学と力学、電磁気学、量子力学に代表される物理学の基礎を、講義と演習でしっかり学べるカリキュラムを用意しています。4年次には、各研究室で教員から少人数で直接指導を受け、卒業研究を自らの計画のもとに行います。この過程で知識や技術に加え、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も磨かれます。大学院へ進学すれば、応用物理や物質科学の最先端の研究を経験することでさらに高度な研究能力が身につきます。

セミナーでの議論の様子

将来への期待

卒業生は幅広い分野での活躍が期待されます

物理工学科卒業生は、分野を問わず幅広く活躍しています。多くの学部卒業生は、さらに高度な研究能力の獲得を目指して大学院博士課程前期課程、いわゆる修士課程に進学します。学部、修士の卒業生は自動車、機械、電気電子、通信、化学など、幅広い分野に就職しています。卒業生の活躍を反映して各社から毎年多数の求人があります。修士課程修了後、毎年一定数は博士課程に進学します。博士課程卒業生は名古屋大学を始め、東京大学、京都大学、慶応大学など全国の大学の教員となっている他、理化学研究所などの公設研究機関や民間企業の研究員にも採用されています。

Key Words

電解質を用いた発光素子

竹延研究室(量子物性工学)では、電解質を用いた新しい発光素子を発明しました。電解質とは、塩水のように溶媒中に溶解したイオンを指します。半導体に電解質を印刷するだけで、柔軟性や伸縮性を持つ発光素子やレーザーができるかもしれません。

電解質を用いた新しい発光素子

鉄系超伝導体薄膜

生田研究室(電子機能材料)では、世界で初めて鉄系超伝導体P-doped BaFe2As2のエピタキシャル薄膜の作製に成功し、10 MA/cm2を超える高い臨界電流密度を有することを見出しました。

分子線エピタキシー法で高品位薄膜を作製

研究室ピックアップ

 

量子物性工学講座
量子物性工学
田仲研究室

量子物性工学講座
量子物性工学
田仲研究室

電子や原子が持つ波としての性質をトポロジーや群論を使って解析。そこから生まれたマヨラナフェルミオン(トポロジカル超伝導体)や磁気スキルミオン(電子スピンの渦構造)の新機能を理論的に探索しています。


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物質デバイス機能創成学講座
高圧力物質科学
長谷川研究室

物質デバイス機能創成学講座
高圧力物質科学
長谷川研究室

数十万気圧、数千度の極限環境場を利用した、常圧下には存在しない原子配列・化学組成を持つ新規機能性材料の創製と、その物理的性質の解明を目指した研究を展開しています。


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量子物性工学講座
光物理工学
岸田研究室

量子物性工学講座
光物理工学
岸田研究室

光とは電場と磁場の波です。光を物質に当てると物質中の電子が光電場によって揺り動かされます。「光で物質を理解し、物質と光を制御する」をテーマに、様々な低次元電子系と光の関係について研究しています。


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物質デバイス機能創成学講座
ナノ電子デバイス工学
中塚研究室
低消費電力半導体デバイス
財満研究室

物質デバイス機能創成学講座
ナノ電子デバイス工学
中塚研究室
低消費電力半導体デバイス
財満研究室

高度情報ネットワーク社会の発展に不可欠な新しい半導体材料の開拓と多機能・省電力な電子・光電子デバイスの創成を目指して、薄膜結晶成長、ナノ界面構造制御、光・電子物性制御に関する研究を進めています。


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構造物性物理学講座
構造物性工学
澤研究室

構造物性物理学講座
構造物性工学
澤研究室

世界最高性能を誇る大型放射光施設SPring-8のX線散乱を用いて「見えないものを観る」を合言葉に特異な機能や新しい物理現象の最先端構造物性研究を行っている研究室です。


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ナノ解析物質設計学講座
材料設計工学
松永研究室

ナノ解析物質設計学講座
材料設計工学
松永研究室

電子構造や原子レベル構造の観点から、物質・材料のミクロな構造や巨視的な性質が発現する“しくみ”を理解し、それを新しい材料の創成につなげていくような研究を進めています。


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複合系物性工学講座
生物物理工学
笹井研究室

複合系物性工学講座
生物物理工学
笹井研究室

タンパク質、DNAなど生体分子の構造、運動、反応を統計物理の考え方で分析し、計算機シミュレーション、インフォマティクスの方法を開発して、揺らぎの大きい柔らかいシステムとしての細胞の生物物理を研究しています。


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ナノ解析物質設計学講座
ナノ顕微分光物質科学
武藤研究室

ナノ解析物質設計学講座
ナノ顕微分光物質科学
武藤研究室

現代の文明生活を支えている様々な物質材料の機能に関わる物理・化学的性質を原子レベルで測定し可視化することで、私たちは新しい機能材料を生み出す鍵を見いだそうとしています。


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構造物性物理学講座
磁性材料工学
竹中研究室

構造物性物理学講座
磁性材料工学
竹中研究室

固体中の電子は、磁気秩序や超伝導など多彩な秩序構造である「電子相」を形成します。新しい電子相の開拓とその制御を通じて、イノベーションにつながる革新的な機能性材料の開発を目指します。


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ナノ解析物質設計学講座
フロンティア計算物質科学
白石研究室

ナノ解析物質設計学講座
フロンティア計算物質科学
白石研究室

数理・物理的解析及び計算科学的方法を駆使して、所望の機能をもつ新物質の設計や複雑な流体現象の解明など、物理現象の解明とその知見に基づく工学への応用の先端的な研究と教育を実施しています。


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ここがスゴイ!

  • 量子ビームによる分析法開発と新規材料評価

    曽田研究室(量子ビーム物性工学)では、加速器から発生するX線領域のシンクロトロン光を1μmに絞り、超高圧高温下で合成した100μm程度の非常に小さな新規材料の電子の運動状態を表面深さごとに分析し、新しい材料の性質を調べます。
    詳細(PCサイト)へ

  • SiC熱分解によるグラフェンの作製

    グラフェンは原子1層の二次元物質で、未来の新素材として注目されています。齋藤(弥)研究室(ナノ物性工学)では炭化シリコン(SiC)の熱分解で単結晶グラフェンを作製し、走査トンネル顕微鏡(STM)等を用いて評価しています。
    詳細(PCサイト)へ

  • 行列・固有値問題、微分方程式の数値解法

    張研究室(数理工学)では、電子構造計算、建築物の構造解析等に現れる大規模行列・固有値問題および微分方程式に対して「より速く、より高精度、よりロバストに、よりエレガントに」をキャッチコピーとして高性能数値解法を開発しています。

わたしの6年間

成果を出す方法を、自分で考えて試す。
研究もラクロスも、そこが面白い。

小國 和樹

武藤研究室(ナノ顕微分光物質科学)所属

学部1~4年次/研究と部活とバイトに明け暮れた、自分らしいてんこ盛りの4年間。物理工学を幅広く学ぶ中で、身近で将来性のある“材料”の魅力に惹かれ、研究室では電子顕微鏡と格闘する毎日を過ごしました。一方、“地上最速の格闘球技”と称される激しさに惹かれて入部したラクロス部では、週5~6日練習に励んで、試合の戦略を立てるオフェンスリーダーに。そして4年次最後の試合では、東海地区優勝と全日本学生選手権ベスト4に入り、東海地区MVPを獲得しました。

研究には、複合電子分光走査型電子顕微鏡をはじめ最先端の機器を使用。

(左)日本顕微鏡学会と日本金属学会のポスター発表で、賞をいただきました。
(右)総勢約100名の男子ラクロス部NAGOYA LIZARDSで、2年次からスターティングメンバーとして試合に出場。

大学院/研究対象は、炭素・ケイ素・酸素から成る無機の発光材料。安価なうえ、太陽光に似たさまざまな波長の光を含むことでモノが自然な色に見えるため、実用化されればLEDに替わる可能性がある、夢の材料です。電子顕微鏡を使用して観察し、物質の発光原理を解明するのが私の研究。大学院1年次には、従来考えられていたのとは異なる発光メカニズムの仮説にたどり着き、学会で賞をいただきました。自分で仮説を立て、方法を考えて進める。その面白さは、研究もラクロスも共通です。

大学院へGO!

応用物理学専攻

科学と技術のインターフェース

本専攻に進学すると、学部で学んだ物理学の堅固な知識を基盤として、物性物理学、材料科学、計算科学分野におけるより高度かつ先端的な課 題の研究を行います。研究を通じて、新しい原理の発見とそれを広く応用する能力、新しい境界領域を創造する能力が身につきます。結果として基礎と応用の両分野で活躍できる研究者、技術者となります。後期課程では、社会の課題を自らの研究に結びつけ、その解決を果たすための創造力/総合力/俯瞰力を養います。高い見識を有し、国際的に指導力を発揮できる人材となります。

AlNiRu準結晶の高分解能STEM像と回折図形(齋藤(晃)研)

物質科学専攻

新しい視点で物質を科学する

本専攻に進学すると、学部で学んだ物理学に、応用化学・応用物理学・材料科学等の幅広い理工学分野のエッセンスを融合させた物質科学の新しい学問体系を学べます。物質やデバイスが関わる幅広い工学と社会の発展に寄与できる多角的な視野・柔軟な価値観が身につきます。後期課程では、物質科学に関わる個々の学問分野をより深く探究しつつ、枠組みを乗り越えた周辺領域も学びます。科学技術分野で世界的なリーダーシップがとれる技術者・研究者を養成します。

物理モデルに基づく高分子の解析(増渕研)