材料劣化と製品の信頼性

―産に対する学の貢献の一つの形として―

 

工学研究科
マテリアル理工学専攻 教授

 
武田 邦彦
     


 多くの工業製品には高度に開発された「材料」が使用され、その材料は必ず劣化します。劣化は材料そのものの構造や性質と製品がどのように使用されるかで決まり、劣化は必然的にその材料を使った製品の信頼性を損ないます。従って材料メーカーもアッセンブル・メーカーも材料の劣化とそれに伴う製品の信頼性について専門性を持たず、しかも工業的には極めて重要な問題をもたらすという矛盾した状況になります。本講演では材料劣化の学問がどのように産業界に役立つかを例にとり、自然の叡智を参考にしつつ解説を加えます。