シーズNo. 13
平成16年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」
研究開発テーマ (シーズ) |
磁場印加による炭素繊維の高強度化 |
技術分野(該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎ |
研究段階(該当に○) |
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〔○〕材料(No 03)、 〔 〕バイオテクノロジー(No )、 〔 〕情報通信(No ) 〔 〕機械(No )、 〔 〕 医療・福祉(No )、 〔 〕 エネルギー(No ) 〔 〕環境(No )、 〔 〕 その他(No ) |
基礎 応用 |
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a |
b |
c |
d |
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○ |
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キーワード(5つ以内) |
強磁場、炭素繊維、炭素化 |
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提案者職名・氏名 |
所属機関名(機関名・学部・研究室名) |
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教授・浅井滋生、助手・佐々健介 |
名古屋大学大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 材料工学分野 材料電磁プロセッシング工学研究グループ |
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電 話 |
052−789−4646 |
E– mail |
c42538a@nucc.cc.nagoya-u.ac.jp |
FAX |
052−789−3247 |
ホームページ |
http://www.numse.nagoya-u.ac.jp/P1/index.html |
[研究成果があり、公開可能な技術シーズ]
研究開発の目的 (研究の目的、最終的な事業化分野) |
炭素繊維の強度は製造工程での様々なパラメターの影響を受けるが、その中でも化学反応の影響は大である。安定化工程と炭素化前期工程での化学反応は激しいため、内部や表面での欠陥が生じやすく、雰囲気や加熱速度および温度等の制御が大切である。つまり、欠陥発生による炭素繊維の強度の低下を防ぐためには化学反応の制御が不可欠である。 本研究開発では航空・宇宙分野でよく使われる炭素複合材料の強化材として、注目されている炭素繊維の製造工程での熱処理工程中に化学反応を制御するために磁場を印加し、より高強度の炭素繊維作製プロセスの構築を目指す。 |
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研究開発の内容(概要) (研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください) |
超伝導マグネットの空間内に、PAN系繊維の熱処理を回分操作できる装置を試作した。その装置を用いて、初期安定化工程に強磁場を印加したところ、酸化反応が抑制することを見出した。そこで本研究では、XPS分析、Raman分光分析、FTIR分析、X線回折、AFMおよび電子顕微鏡(TEM)による組織観察を行い、強磁場による化学反応の制御に伴う繊維の強度増大を図り、工業化への指針を与えた。 |
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新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に) |
(1)固相化学反応に強磁場を適用する試みはこれまで報告されていない。 (2)現在採用されている機械的延伸操作のみで炭素繊維の結晶配向率を向上させるには限界が見られる。この限界を破る目的で強磁場を印加するが、このような試みはこれまで報告されていない。 |
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地域経済への波及効果 (本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等) |
炭素複合材料は航空・宇宙などをはじめ多くの翔体、鉄道、自動車、船舶の高度化を実現する上で必須の材料と言われている。本研究の遂行により、信頼性が高くかつ安価な炭素繊維が実現できれば、より多くの産業分野への炭素繊維複合材料の飛躍的普及がなされ、大きな社会的貢献をもたらすことになる。 |
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実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等) |
炭素繊維の強度と弾性率の向上については、既にその可能性の一部が見出され特許出願を行った。既存の炭素繊維製造ラインにおいて強磁場の印加を行うには、強磁場空間を生み出す安価な超電導磁石の開発が不可欠である。近年、液体ヘリウムを使用しない超電導磁石の普及が見られ、小形化と低価格化が実現されつつある。したがって、炭素繊維プロセスで強磁場を適用できる可能性は高い。 |
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関 連 工業所有権 |
発明(考案)等の名称 |
発明者 |
出願人 |
外国出願 |
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公開番号:特許公開2000-345436 公開番号:特許公開平11-81052 |
浅井滋生 |
浅井滋生 |
〔 〕有 〔○〕無 |
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