シーズNo.60

平成15年度名古屋大学工学研究科「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」

 

 研究開発テーマ

   (シーズ)

超電導永久磁石を用いたプラズマ成膜装置の製作

 

技術分野(該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎

研究段階(該当に○

〔○〕材料(No 04)、〔 〕バイオテクノロジー(No  )、〔◎〕情報通信(No12

〔○〕機械(No  )、 〔 〕 医療・福祉(No  )、 〔 〕 エネルギー(No  )

〔 〕環境(No  )、 〔 〕 その他(No  )

 基礎          応用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーワード(5つ以内)

 超電導、ナノテクノロジー、超電導永久磁石、プラズマ成膜装置

 

提案者職名・氏名

所属機関名(学部・研究室名)

教授・水谷宇一郎

工学研究科・結晶材料工学専攻・電子物性工学講座

 電 話

052-789-4461

 mail

mizutani@nuap.nagoya-u.ac.jp

 FAX

052-789-3821

 ホームページ

http://amorphous.xtal.nagoya-u.ac.jp/

 

 研究開発の目的

(研究の目的、最終的な事業化分野)

RE123バルク超電導体を30K程度の低温で着磁することで世界最高の永久磁石であるNd-Fe-Bの30倍に及ぶ強力磁場を発生する永久磁石を作ることが出来る。名大、イムラ材料開発研究所、ダイアックス、静岡アネルバ、名古屋産業科学研究所(今井淳夫副所長)の共同研究で文部科学省の革新技術への提案公募に応募し、平成13年度より3年間のプロジェクトが採択され、超電導永久磁石を使ったマグネトロンスパッタ装置を試作を開始している。ターゲット上に水平磁場1テスラを実現し、この強い磁場により10-5 Torr台の高真空下で放電電流数10mA確保し、成膜速度100A/minの達成をもくろんでいる。この技術が完成すればArガスの巻き込み等がない原子レベルで表面のきれいな高品質な薄膜が製造可能となると考える。現在、この成膜装置が完成すれば情報通信産業の分野で事業化が可能と期待している。

研究開発の内容(概要)

(研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください)

RE123バルク超伝導体として直径60mm、厚さ15mmでc軸配向した単一ドメインのweak linkがない材料の開発を最終目標としている。これが実現すれば超電導体直上での捕捉磁場は8テスラを楽に越える。このような超強力磁場を発生する材料は磁束線の反発力で破壊することがあり機械的強度も求められる。材料開発はすでに多くの難題を解決してきており現在最終段階に入っている。もう一つのキーとなる技術として超電導体の着磁であるが、これも世界に先駆けてパルス着磁技術を開発し、現在順調に目標達成に向けて研究を進めている。

 新規性、独創性

(当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に)

我々は1998年世界に先駆けて直径36mmSm123バルク超電導体を合成し、この超電導体に77Kで最高2.1テスラ、25K9テスラの磁場を捕捉させることに成功している。また、IMRA法と呼ばれるパルス着磁法を開発し、超伝導体を低温でも十分に着磁する技術を開発した。これらの技術は我々の独創的研究から生まれたもので、新規性・独創性・優位性で他の技術を凌いでいる。

 

地域経済への波及効果

(本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等)

10-5 Torr台の高真空下でありながら100A/minの成膜速度を実現するスパッタ成膜装置は透明電極材料、磁性薄膜、レンズ保護膜、多層膜など幅広い電子材料の生産に適している。例えば、Ta2O3SiO2の多層膜を使った光分波器がある。高真空下での成膜のためスパッタ原子の平均自由行程は十分に長くなり、清浄でフラットな界面を持つ多層膜が歩留まり高く生産出来るようになる。このように、高品質電子材料薄膜の生産機の誕生は情報通信素子製造を中心とする愛知県下の産業界に大きく貢献するであろう。こんなところへ応用することはどうか、といった提案を我々は歓迎する。

 実用化への見通し

(共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等)

現在、我々はイムラ材料開発研究所、静岡アネルバ、ダイアックスそして名古屋産業研究所の5グループで文部科学省の革新技術提案公募プロジェクトを共同推進している。成膜装置は静岡アネルバとダイアックスが事業化を計画している。平成15年度末までに事業化を実現したい計画である。

 

 関  連

工業所有権

  発明(考案)等の名称

    発明者

   出願人

  外国出願

「非公開」

 

 

  〔 〕有

  〔 〕無

 注意事項: @ 記入事項が多い場合は、縦方向に枠の大きさを広げて下さい。

       A 掲載して頂く技術シーズはシーズ集・ホームページ等での公開を前提に記載していただいていま

         すので非公開情報の箇所は「非公開」と御記入下さい。