シーズNo.　９１　

平成１６年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」

研究開発テーマ （シーズ）

アドホック・ネットワークを用いた情報共有と情報の空間割付け，およびそのITSへの応用

技術分野（該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎。		研究段階（該当に○）
〔　〕材料（No　　）、 〔　〕ﾊﾞｲｵﾃｸﾉﾛｼﾞｰ（No　　）、 〔○〕情報通信（No　19） 〔　〕機械（No　　）、 〔　〕医療・福祉 （No　　）、 〔　〕ｴﾈﾙｷﾞｰ　（No　　） 〔　〕環境（No　　）、 〔　〕その他　　 （No　　）		基礎　 　 応用
			ａ	ｂ	ｃ	ｄ
					○
キーワード(５つ以内)	情報共有，アドホック・ネットワーク，位置依存情報

提案者職名・氏名		所属機関名（機関名・学部・研究室名）
助教授・朝倉宏一		名古屋大学大学院情報科学研究科 社会システム情報額専攻 渡邉研究室
電　話	052-789-5144	e-mail	asakura@is.nagoya-u.ac.jp
ＦＡＸ	052-789-3808	ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ	http://wwww.watanabe.ss.is.nagoya-u.ac.jp/member/asakura/

［研究成果があり、公開可能な技術シーズ］

研究開発の目的 （研究の目的、最終的な事業化分野）		位置に依存する情報の生成・共有・維持・削除を，GPS 技術とアドホック・ネットワーク技術を用いて実現する．アドホック・ネットワークを用いた局所的なネットワークにより細粒度で位置依存情報を，インフラのない場所でも実現可能とする．この技術をITS に応用することで，車車・路車間で柔軟な情報共有，情報伝達を実現する．
研究開発の内容（概要） (研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください)		位置依存情報とは，ある位置座標（北緯，東経）付近に関連付けられた情報である．このような位置依存情報をインフラとなるネットワークやサーバを使用せずに，各携帯端末間のアドホック・ネットワークで実現する．携帯端末が位置依存情報の存在する場所に移動すると，周辺の端末から位置依存情報を受信し，情報を共有する．携帯端末が少ない場所では，各携帯端末が情報を維持し情報の消滅を防止する．必要でなくなった情報は，ある携帯端末からの情報削除操作により，周辺の携帯端末内に存在する情報を削除し，位置依存情報を削除させる．これらの情報の操作・管理のため，アドホック・ネットワークにおける情報共有プロトコルを開発している．
新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に)		位置に依存した情報を実現するシステムの多くは，クライアント・サーバ形態を採用している．すなわち，従来のシステムでは，位置依存情報を実現する場所にはネットワーク・インフラが必要であり，すべての位置依存情報をサーバに集中して管理しなければならない．本シーズでは，ネットワーク・インフラや情報サーバが不要であり，位置依存情報を即時的に実現することができる．また，位置依存情報は，その性質上，更新が頻繁であったり，非永続的な情報が多く，クライアント・サーバ方式のシステムでは非効率である．本シーズの手法では「必要なときに必要な場所に」情報を生成，存在させることができ，非永続的な位置依存情報を効率よく実現することができる．
地域経済への波及効果 (本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等)		本シーズの手法をITSにおける情報共有に応用することで，車車間で即時的で精密な情報共有を実現することができる．例えば，事故が発生したとき，発生場所を基点とした位置依存情報を生成すれば，周辺の車に即時的に情報を伝達することができる．また，緊急自動車の通過時に，緊急自動車の前方に位置する情報を生成することで，緊急自動車の接近を即時的に知らせることができ，円滑な交通に寄与することができる．
実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等)		携帯端末の無線LANを用いた位置依存情報の実現に向けて研究しており，更新のない位置依存情報の実現は，ほぼ達成しつつある．今後は情報の更新プロトコルなどを開発し，より柔軟な位置依存情報の実現を目指す．本シーズのITSへの応用では，車車間でアドホック・ネットワークを実現するためのアンテナ技術が必要であり，車載用アレイ・アンテナなどの実用化が可能な企業との共同研究が必要とされる．
関　　連 産業財産権	発明（考案）等の名称		発明者	出願人	外国出願
					〔　〕有 　〔　〕無