シーズNo. 86
平成16年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」
研究開発テーマ (シーズ) |
共鳴トンネルカオスデバイスを用いた超高周波信号生成。処理技術の研究 |
技術分野(該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎。 |
研究段階(該当に○) |
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〔 〕材料(No )、 〔 〕バイオテクノロジー(No )、 〔○〕情報通信(No12 ) 〔 〕機械(No )、 〔 〕医療・福祉 (No )、 〔 〕エネルギー (No ) 〔 〕環境(No )、 〔 〕その他 (No ) |
基礎 応用 |
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a |
b |
c |
d |
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○ |
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キーワード(5つ以内) |
共鳴トンネル、カオス、HEMT、MMIC、分周器 |
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提案者職名・氏名 |
所属機関名(機関名・学部・研究室名) |
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助教授・前澤宏一 |
名古屋大学大学院工学研究科 量子工学専攻 量子ナノデバイス工学研究グループ |
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電 話 |
052-789-5455 |
e-mail |
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FAX |
052-789-5455 |
ホームページ |
[研究成果があり、公開可能な技術シーズ]
研究開発の目的 (研究の目的、最終的な事業化分野) |
共鳴トンネル素子は室温で動作可能な量子効果素子であり、その超高速性から興味を集めている。本研究はそのもう一つの特長である非常に強い非線形性に着目したものであり、共鳴トンネルダイオード・高電子移動度トランジスタの集積化によるカオス発生器の提案・実証とその応用分野の開拓を目的とするものである。通信分野(周期倍分岐を用いた可変分周器や暗号化、カオス同期通信など)をはじめとする、超高速集積回路が必要な分野へのカオスの応用を可能とし、集積回路、カオスの応用の両面において大きなインパクトが期待できる。 |
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研究開発の内容(概要) (研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください) |
基本的なカオス生成手法として、数種類の共鳴トンネルダイオード・高移動度トランジスタ集積回路を考えている。課題としては、まず、 1) 各種回路におけるカオス生成の可否、とその生成条件 2) 動作の高周波限界とその要因 について明らかにすることがあげられる。その後、 3) 実デバイスによる実証 を行う。また、この時、本回路は本質的にアナログ回路であるため、 4) 回路パターンの検討 も必要である。さらに、これらと並行して、通信分野等、 5) 本デバイスに適した応用の探索 を行う。これにより、カオスを用いた新しい情報処理アーキテクチャーに基づく超高速集積回路への道が開けると考えている。 以下に、現在までに、明らかになった点を記す。 1) 共鳴トンネル素子とインダクタ、キャパシタ、HEMTを用いた非常に簡単な回路でカオス信号生成が可能なこと。 2) カオス系に特有な分岐現象を用いた可変分周器への応用が可能なこと。 MMIC試作により12
GHz分周器動作の実証。今後、回路パラメータの変更により、100GHz以上への応用が可能と考えられる。 |
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新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に) |
本研究で提案する超高周波カオス生成器は、素子の容量に蓄えられた電荷による遅延帰還や負性微分抵抗による非線形変換を利用するものである。この着想は、近年、本研究者らが提案した新しい論理回路(単安定−双安定転移論理素子MOBILE)や共鳴トンネルトランジスタRTHEMTの動作解析から得られたものであり、他に例がない。また、予想される特徴も、i) 100 GHz以上の超高周波領域でカオス生成が可能、ii) カオス制御機構の集積化可能、iii) 従来回路と集積可能、という従来にないものである。 |
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地域経済への波及効果 (本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等) |
超高速集積回路が必要な分野へのカオスの応用を可能とし、半導体産業、通信関連分野に対するインパクトが期待できる。 |
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実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等) |
半導体産業、通信関係 |
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関 連 産業財産権 |
発明(考案)等の名称 |
発明者 |
出願人 |
外国出願 |
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特願2003-416515 |
前澤宏一、水谷孝 |
名古屋大学長 |
〔 〕有 〔○〕無 |
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注意事項: @ 記入事項が多い場合は、縦方向に枠の大きさを広げて下さい。
A 掲載していただく技術シーズは、シーズ集、ホームページ等での公開を前提に記載して
いただいておりますので、非公開情報の欄は「非公開」とのみ御記入下さい。