シーズNo.　７６　

平成１６年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」

研究開発テーマ （シーズ）

強誘電体電子線源を用いた新発光素子

技術分野（該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎。		研究段階（該当に○）
〔○〕材料（No　４）、 〔　〕ﾊﾞｲｵﾃｸﾉﾛｼﾞｰ（No　　）、 〔◎〕情報通信（No１３） 〔　〕機械（No　　）、 〔　〕医療・福祉 （No　　）、 〔　〕ｴﾈﾙｷﾞｰ　（No　　） 〔　〕環境（No　　）、 〔　〕その他　　 （No　　）		基礎　 　 応用
			ａ	ｂ	ｃ	ｄ
			○
キーワード(５つ以内)	強誘電体、極性反転、電子線源、発光素子、半導電性層

提案者職名・氏名		所属機関名（機関名・学部・研究室名）
助教授　森田　慎三		名古屋大学大学院工学研究科 電子情報システム専攻 電子工学分野 スピンエレクトロニクス研究グループ
電　話	+52-789-5722	e-mail	morita@nuee.nagoya-u.ac.jp
ＦＡＸ	+52-789-5623	ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ

［研究成果があり、公開可能な技術シーズ］

研究開発の目的 （研究の目的、最終的な事業化分野）		新規な発光素子を開発し、フラットパネルディスプレイへの応用を図る。
研究開発の内容（概要） (研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください)		強誘電体をくし型電極と平面電極で挟んだ構造で、くし型電極側の強誘電体表面に半導電性層を形成すると、強誘電体を分極し、それを反転する時に、くし型電極側から電子放出が観測される。この電子を染料を含んだ膜、または、一定のバンド構造を有するｐ型半導体膜を有する陽極面に照射することにより発光させる構造の発光素子を開発する。 添付資料：Jpn. J.A.P. Letter, Vol. 43, No. 5B(2004)p.Lx.
新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に)		従来の発光素子は、一対の電極間で高電界で電子を加速して染料分子に衝突して発光させるＥＬ素子や、ｐ−ｎ接合での電子―正孔対の再結合による発光素子であったが、本発光素子は、強誘電体極性反転による放出電子を用いた外部電子線源による発光素子である。発光領域に高電界を加える必要がないことから有機発光素子への適用に有利である。また、強誘電体電子線源は、ＰＺＴで電流密度７A/cm２、エネルギー３Ｋｅｖが報告されているように照射電子線源として優れている。また、素子は半導電性層を使用することにより、全固体化ができ、小型、薄膜化が容易である。
地域経済への波及効果 (本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等)		この地域は、ＧａＮダイオードによる発光素子が、赤崎教授によって開発され、発光素子の発祥の地であるが、画素の微細化には成功していない。したがって、本発光素子は、ＧａＮダイオードでカバーできない領域で使用可能な発光素子の可能性を有している。
実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等)		現在、無機強誘電体のＰＺＴと有機強誘電体のＰＶＤＦを用いて、電子放出を観測している。しかし、提案している発光現象の確認はこれからである。また、実用化レベルにある有機ＥＬ素子の、発光強度と寿命が凌駕できるかどうかは確認されていない。
関　　連 産業財産権	発明（考案）等の名称		発明者	出願人	外国出願
	強誘電体電子線源：出願中		森田慎三	名古屋大学	〔申請中〕有 　〔　〕無