シーズNo. 45
平成16年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」
研究開発テーマ (シーズ) |
領域選択浸漬法を用いた薄膜のパターニング |
技術分野(該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎ |
研究段階(該当に○) |
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〔○〕材料(No02)、 〔 〕バイオテクノロジー(No )、 〔 〕情報通信(No ) 〔 〕機械(No )、 〔 〕 医療・福祉(No )、 〔 〕 エネルギー(No ) 〔 〕環境(No )、 〔 〕 その他(No ) |
基礎 応用 |
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a |
b |
c |
d |
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○ |
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キーワード(5つ以内) |
領域選択析出、パターニング、薄膜、表面修飾、 |
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提案者職名・氏名 |
所属機関名(学部・研究室名) |
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教授・河本邦仁 |
名古屋大学大学院工学研究科 物質制御工学専攻 固体材料学研究グループ |
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電 話 |
052-789-3329 |
E– mail |
g44233a@nucc.cc.nagoya-u.ac.jp |
FAX |
052-789-3201 |
ホームページ |
http://www.apchem.nagoya-u.ac.jp/~masuda/index.html |
研究開発の目的 (研究の目的、最終的な事業化分野) |
基板(基材)表面上の任意の箇所のみに、目的物質を析出させて、これにより、マイクロメーターサイズに制御された薄膜のパターンを作製する手法を開発した。 |
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研究開発の内容(概要) (研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください) |
実験例として、大気中、50℃の低温で、水溶液を用いて、結晶性アナターゼ型二酸化チタン薄膜を、基板表面の任意の領域に析出させた。この手法では、まず、基板(シリコンウエハー)表面に疎水性有機薄膜を作製し、ここにフォトマスクを介して紫外線照射を行い、任意の領域を親水性とした。この基板とチタンイオンを含む水溶液を接触させることにより、親水性領域のみに、目的薄膜を析出させた。ここで、気泡を用いて水溶液を断続的に基板表面に接触させることにより、親水性表面は絶えず水溶液と接触し、一方、疎水性表面と水溶液との接触時間を短く抑えることに成功している。この接触時間の差により親水性表面でのみの薄膜析出を実現できた。 |
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新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に) |
本手法と同等あるいは類似のコンセプトに基づく薄膜の選択析出法は他に見受けることができない。また、本手法では、基板表面への溶液の接触時間を制御して選択析出を実現するため、溶液から基板への析出反応であれば、いずれの系にも適応でき、薄膜のパターニングが可能である。例えば、上記実験で用いた疎水性・親水性有機薄膜の組み合わせでは、トルエン等の有機溶媒に対しても大きな濡れ性(接触角)の違いを示すため、有機溶媒からの析出においてもパターニングを実現できる。 |
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地域経済への波及効果 (本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等) |
本手法は、大型設備等を必要とせず、基板(基材)の材質・形状・大きさを問わない。また、二酸化チタン以外でも、目的物質(薄膜)を析出し得る溶液が用意されれば、セラミックス、金属、有機物等いずれの薄膜析出にも適用でき、これらのパターンが作製可能である。適用できる薄膜、基材が広範囲に渡る点、特殊設備が不要である点が大きな利点である。 |
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実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等) |
本手法では、マイクロメーターサイズの二酸化チタン薄膜パターンの作製に成功しており、これと同程度の解像度を持つパターンであれば、目的物質(薄膜)が析出する溶液を準備すれば、技術開発を必要とせず、パターン作製が実現できる。本手法はすでに、基礎研究過程を終えており、実用化を待つ段階にある。薄膜の種類は問わないため、セラミックス、金属、有機薄膜等の多岐に渡る薄膜のパターン化に対応できる。 |
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関 連 工業所有権 |
発明(考案)等の名称 |
発明者 |
出願人 |
外国出願 |
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領域選択析出方法 |
河本邦仁 増田佳丈 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
〔 〕有 〔○〕無 |
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