シーズNo. 32 

平成16年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」

 

 研究開発テーマ

   (シーズ)

制御しやすい炭素クラスターイオン源の開発

 

 

技術分野(該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎。

研究段階(該当に○)

〔○〕材料(No 5  )、 〔 〕バイオテクノロジー(No  )、 〔 〕情報通信(No  )

〔 〕機械(No  )、 〔 〕医療・福祉 (No  )、 〔 〕エネルギー (No  )

〔 〕環境(No  )、 〔 〕その他   (No  )

  基礎        応用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーワード(5つ以内)

ナノクラスター,イオンビーム,炭素系材料

 

提案者職名・氏名

所属機関名(機関名・学部・研究室名)

助教授・佐々木 浩一

名古屋大学大学院工学研究科 電子情報システム専攻

 電子工学分野 光エレクトロニクス研究グループ

 電 話

052-789-3137

 e-mail

sasaki@nuee.nagoya-u.ac.jp

 FAX

052-788-6603

 ホームページ

http://www.nuee.nagoya-u.ac.jp/labs/kadotalab/index.html

 

[研究成果があり、公開可能な技術シーズ]

 研究開発の目的

(研究の目的、最終的な事業化分野)

炭素ナノクラスターイオンビームを,シンプルな装置構成で高効率生成できるイオン源を開発する。従来技術では,炭素クラスターは高ガス圧雰囲気中でないと生成できないので,ビームとして取り出して利用することが困難である。本イオン源では,クラスターイオンビームは真空中で生成されるので,質量分離や輸送効率などの面で有利であり,制御が容易である。

研究開発の内容(概要)

(研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください)

真空中で炭素系ポリマー材料にパルスレーザー光を照射し,レーザーアブレーションによって炭素系イオンを生成する。ターゲット材料に特定のポリマーを用い,レーザーアブレーションの後10マイクロ秒程度の時間をおいてイオンを加速すると,C400+におよぶ巨大な炭素クラスターイオンビームが生成された。イオンビームをパルス電場で反射することにより,特定の質量数の炭素クラスターのみを容易に分別することができる。

 新規性、独創性

(当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に)

従来,放電による方法またはレーザーアブレーションによる方法で炭素クラスター(フラーレンやナノチューブ)を生成するには,真空容器内を数Torrのガス圧の希ガスで満たす必要があると信じられてきた。これに対し,本方式では,従来の常識に反し,真空中で巨大なクラスターイオンが多量に生成されている。真空中での生成のため,装置構成がシンプルで,制御性の高いクラスターイオン源となる。

地域経済への波及効果

(本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等)

本炭素クラスターイオンビームの応用として,炭素ナノ構造薄膜などの新材料作成プロセスへの利用を検討している。特に,質量分離された炭素クラスターイオンビームを生成することが容易なため,従来の方法では不可能な新規な材料プロセスを実現できる可能性がある。新材料開発の基盤技術として,「ものづくり」の中心である本地域の産業の発展に貢献できればと考えている。

 実用化への見通し

(共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等)

新材料のプロセスを高いスループットで実現できる実用的なイオン源とするには,アブレーション面積の大面積化,レーザーパルスの高繰り返し化などのいくつかの技術的課題があるが,原理的問題はない。また,パルス電場反射による質量分離についても従来の技術を適用可能である。本イオン源の特長を活かしたプロセス開発についての共同研究を推進したい。

 関  連

産業財産権

  発明(考案)等の名称

    発明者

   出願人

  外国出願

 

 

 

  〔 〕有

  〔 〕無