シーズNo.１４４　

平成１６年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」

研究開発テーマ （シーズ）

構造中に活性酸素を吸蔵するナノ細孔アルミノシリケート −高い酸化活性を有するローエミッション型酸化触媒−

技術分野（該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎。		研究段階（該当に○）
〔○〕材料（No 05 ）、 〔　〕ﾊﾞｲｵﾃｸﾉﾛｼﾞｰ（No　　）、 〔　〕情報通信（No　　） 〔　〕機械（No　　）、 〔　〕医療・福祉 （No　　）、 〔○〕ｴﾈﾙｷﾞｰ　（No 35 ） 〔◎〕環境（No 39 ）、 〔　〕その他　　 （No　　）		基礎　 　 応用
			ａ	ｂ	ｃ	ｄ
				○
キーワード(５つ以内)	活性酸素、アルミノシリケート、酸化触媒、排ガス浄化、イオン導電体

提案者職名・氏名		所属機関名（機関名・学部・研究室名）
教授・鈴木憲司		名古屋大学 エコトピア科学研究機構 環境システム・リサイクル科学研究部門
電　話	052-789-5537	e-mail	k.suzuki@rescwe.nagoya-u.ac.jp
ＦＡＸ	052-789-5537	ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ

［研究成果があり、公開可能な技術シーズ］

研究開発の目的 （研究の目的、最終的な事業化分野）		燃焼排ガスに由来する環境汚染が深刻な問題となっている。例えば、ごみ焼却時におけるダイオキシン生成、二輪車等の内燃機関より排出される炭化水素等を挙げることができる。本技術は、ローエミッションを考慮し、貴金属を使用しない新規排ガス浄化用触媒（材料）の開発を主な目的としている。
研究開発の内容（概要） (研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください)		本触媒は、環境に負荷を与えないCaO、Al2O3、SiO4から成り、組成式はCa12Al10Si4O35で表される。構造中のナノ細孔に２種類の活性酸素（パーオキサイドアニオン O2^2-及びスーパーオキサイドアニオン O2^-）を吸蔵している。活性酸素は400℃以上でナノ細孔から表面に移動し、表面に吸着して存在する炭化水素を酸化分解する特徴を有する。また、アルミノシリケート表面にCo2O3を担持することにより触媒活性温度を200℃まで下げることができ、実用化の目途が立った。
新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に)		本触媒は、CaO、Al2O3、SiO4のみから成り、貴金属等の活性元素が存在しなくても高い酸化活性を有することに大きな特徴を有する。資源の乏しい我が国で産出する安い原料から作ることができ、環境への負荷も無く、しかも環境保全や環境浄化に有効である点に最大の優位性が存在する。
地域経済への波及効果 (本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等)		本触媒は、セメントメーカーや建材メーカー等で生産が可能であり、原料もバージン原料のみならず、焼却灰等の廃棄物からも製造可能である。また、製品は自動車や二輪車用の排ガス浄化用触媒、ごみ焼却場の排ガス浄化材等として利用され、これらの関連企業に強いインパクトを与える。
実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等)		酸化触媒機能の他に酸素イオン導電体としての機能も有することから、材料製造メーカーからユーザーまで幅広く共同研究相手を募ることができる。実用化までは、数年を要するものと考えられる。
関　　連 産業財産権	発明（考案）等の名称		発明者	出願人	外国出願
	活性酸素を包含した無機化合物及びその製造法 酸化コバルト担持マイエナイト触媒及びその製造法		鈴木憲司、藤田　悟 鈴木憲司、藤田　悟	産業技術総合研究所 産業技術総合研究所	〔○〕有 〔　〕無