シーズNo.129 

平成16年度「産学官共同研究開発技術シーズ調査票」

 

 研究開発テーマ

   (シーズ)

サイト環境を反映させた水平軸風力タービンロータ設計システムの開発

 

技術分野(該当分野に○印を付け別表の該当番号を記入。複数の場合は主なものに◎

研究段階(該当に○

〔 〕材料(No  )、 〔 〕バイオテクノロジー(No  )、 〔 〕情報通信(No  )

〔 〕機械(No  )、 〔 〕 医療・福祉(No  )、 〔◎〕 エネルギー(No 32 )

〔○〕環境(No 37)、 〔 〕 その他(No  )

 基礎         応用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーワード(5つ以内)

風力タービン,風況,最適設計,疲労寿命評価,分散型電源

 

提案者職名・氏名

所属機関名(学部・研究室名)

助教授・長谷川豊

名古屋大学 エコトピア科学研究機構 エネルギー科学研究部門

 

 電 話

052-789-2711

  mail

hasegawa@mech.nagoya-u.ac.jp

 FAX

052-789-5123

 ホームページ

 

 

 研究開発の目的

(研究の目的、最終的な事業化分野)

風車設置サイトの風況(風力エネルギー賦存量,乱流特性)・社会環境に適合した発電用水平軸風力タービンロータの最適設計システムを開発し,高性能・低環境負荷・長寿命の風力発電システム(WTGS)構築に貢献する.特に大型WTGSの設計に関しては,ロータ・マストの弾性設計もオプションとして加える.

また,既存のWTGSに関して風況を入力情報とした発電特性評価・疲労寿命評価を行い,制御・運転・メンテナンス計画等に有用な情報を提供する.

研究開発の内容(概要)

(研究の内容・課題等を具体的に、必要に応じ資料を添付してください)

風力タービンの翼およびロータ全体に働く変動空力荷重の推定手法を確立することにより上記目的・目標を達成する.具体的には,

  ❶風速・風向変動を含めた流入風の3次元乱流特性

  ❷ロータ翼構造系の弾性変形・振動と翼に働く非定常流体力との相互作用

が変動荷重に及ぼす影響を解明するために,柔軟構造の水平軸タービンを対象として,

  @流入風の3次元乱流数値モデル Aロータ翼・マスト構造系振動の数値モデル

を構築し,申請者らのロータ周り流れの解析モデルとリンクさせて数値解析を行う.

 新規性、独創性

(当該シーズの新規性・独創性・優位性等を具体的に)

風力タービンロータの設計は従来,平均的な風況(平均風速・平均風速変動強さ)を入力条件として翼素運動量理論に基づき画一的に行われてきた.その結果,欧州に比べ風速変動強さが一般的に大きな我が国に,近年導入された欧州製大型WTGSの多くは,ロータ翼の破損・油圧制御系の損傷等の不具合を生じている.

当該設計システムは,高精度かつ低計算負荷なエンジニアリングモデル(加速度・速度ポテンシャルモデルの併用)に基づくもので,サイトの風速分布・乱れ特性(風速・風向)が空力変動負荷に及ぼす影響も考慮できる.また,ロータ翼構造系の変形・振動の影響を考慮するモデルも開発中であり,我が国の風況に適した超大型タービンロータの設計にも応用できるものと考える.

地域経済への波及効果

(本研究によって期待される成果・効果、地域への貢献、産業界へのインパクト等)

当該設計システムを大型WTGSに適用することにより,風力エネルギー利用の促進を図り,CO2排出量の低減・地域電力供給の安定化に繋げる事が可能である.

また,小型・高効率WTGSの設計・開発に対する地域中小企業の要望は強く,当該設計システムが有効に機能するものと期待する.さらに,小型WTGSの中小施設・家庭への普及は,分散型電源として商用電源への負荷低下,省電力へと繋がる.

 実用化への見通し

(共同研究の相手となる企業・業界、実用化までの期間等)

大型WTGSに関しては,国内の大手企業(重電・流体機械メーカ)との共同研究により,ロータ設計システムもしくはロータ寿命評価システムの確立を図る.解析モデルの構築・システムの開発に2〜3年,実証試験・システム評価に3年程度の期間を要する.

小型WTGSに関しては,地域中小企業との共同研究により,地域の風況・社会環境(比較的低風速・住宅等密集)に適した高性能・高信頼性・低価格のWTGSを実用化する.設計システムの開発ならびに実証WTGS製作に要する期間は1年とし,実証試験には1〜2年の期間を予定している.

 関  連

工業所有権

  発明(考案)等の名称

    発明者

   出願人

  外国出願

 

 

 

  〔 〕有

  〔 〕無

 注意事項: @ 記入事項が多い場合は、縦方向に枠の大きさを広げて下さい。

       A 掲載して頂く技術シーズはシーズ集・ホームページ等での公開を前提に記載していただいています

         ので非公開情報の箇所は「非公開」と御記入下さい。