生命現象の中で最も重要な二つの要素である遺伝子とタンパク質を扱う“遺伝子工学”、“タンパク質工学”。 環境浄化のために、バイオテクノロジーによって作られた微生物があげる成果を工業利用する“生物プロセス工学”。
そして上記に留まることなく、生物の営む機能に着目し、生物機能を工学的に利用し改良していくこと、生物機能を抽出・デザインし人工的に行わせること(たとえば人口臓器の開発)などの教育と研究を目指しています。
バイオテクノロジーを中心とした生命科学は、産業の新しい基盤として発展しています。といっても現在でも生命の分子レベルでの理解は完全ではありません。大部分はいまだに未知の領域であり、日々新しい課題が生まれ、解決していかなければならない問題の予測すらできません。
本コースではこれらを応用して人類の福祉や環境保全に役立てたいという社会的要望に対応しています。
ヒトゲノム解読が修了し、生命科学及びその工学的利用に関する研究分野は大きく発展しています。生物機能工学では、生物を分子レベルで理解し、その研究成果を環境・医療・食品等の分野に積極的に応用する先駆者的な研究が展開されています。
この研究分野では、ナノバイオテクノロジーにみられるように、様々な最先端の研究分野と融合した新しい研究分野が開拓されています。
生物と工学、この両方の視点をもつ生物機能工学コースの卒業生に対する産業界からの期待は大きいです。
生物を学び、生物化学・生物工学の実験を行う上で情報処理技術はバイオテクノロジーの進歩とともに不可欠なものとなってきました。
現在は医学部と共同で、遺伝子や生活習慣の情報から癌や心筋梗塞のような疾患の症状をあらかじめ予測し、発症の予防を目的としたソフトウェアの開発を行っています。このような大量の情報を利用する場合、工学的なアプローチを医療に応用し、両者の強みを生かすことができます。
生物学の工学的な視点での応用を考えると、電気、情報のような多くの他分野の知識が必要ですが、自分の興味の枠を超えてチャレンジしたいと考えている人にとって魅力的な研究ができるコースだと思います。
<医薬>興和、塩野義製薬、第一三共、大日本住友製薬、大正製薬、武田薬品工業、 中外製薬、テルモ、日本化薬、ファイザー製薬、万有製薬
<食品>味の素、カゴメ、カネカ食品、キューピータマゴ、協和発酵工業、キリンホールディングス、佐藤食品工業、サントリー、太陽化学、竹本油脂、ハウス食品工業、ポッカコーポレーション、味覚糖、ミツカングループ、明治製菓、森永乳業
<化学>旭化成、コーセー、住友化学、セーレン、富山化学工業、東レ、日本リーバ、ノエビア、三井化学
<公務員>愛知県職員、名古屋市職員、豊田市役所、春日井市役所、公務員(文部科学省)、日本学術振興財団
<その他>静岡銀行、トヨタ自動車、日機装、リクルート